(C) dantri. ボー・タン・ムオイ氏 写真の拡大 | ||||
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南中部沿岸地方クアンナム省ホイアン市の農民が作る竹製自転車が、観光客を中心に人気を集めている。その人気はベトナム国内に留まらず、海外からも発注が来るほどだ。
制作者は、カムタイン村で農家を営んでいるボー・タン・ムオイ氏。同氏によると、竹を使って自転車を作るアイディアは以前からあったそうだが、ホイアン市が環境保護のため住民や観光客に自転車利用を推奨し始めたのを機に制作を決意したのだという。竹は加工が難しいため、当初は誰もが自転車製作を学んだことがないムオイ氏にできるはずがないと思っていた。
しかし同氏は、約1か月の試行錯誤の末、フレームとハンドル部分に竹を使った自転車を完成させることに成功した。制作で重要なのは、使用する竹の種類だ。節が多く、十分な強度があり、しかも柔らかくしなり易い種類の竹でなければならない。この種類の竹は見つけるのが難しく、竹の茂み10か所以上を探しても、材料として使えるのは2、3本程度しか見つからない。制作はすべて手作業で、1台を作るコストは約500万ドン(約2万4600円)だという。
現在、同氏は、外国人観光客向けに竹製フレームのスポーツ自転車も制作しており、自転車大国として知られるオランダなどに輸出している。価格は600万ドン~1500万ドン(約2万9600円~7万3900円)。最近では、竹をテーマとしたツアーを企画するオランダの旅行会社から、ツアーで使用する20台の竹製自転車を受注した。同氏は今後、竹製自転車のビジネスがさらに発展し、ホイアンの人々にとって新たな雇用創出に繋がることを望んでいる。