子供達の自転車を無料で修理する心優しい老踏切警手 [社会]

（C）Phap luat & xa hoi、グエン・バン・タムさん

　ハノイ市タインチー郡タータインオアイ村で踏切警手を務めるグエン・バン・タムさん(63歳)は、仕事の傍ら小学生と中学生の自転車を無料で修理している。タムさんの目や話し方には優しさがあふれているが、元はベトナム戦争の退役軍人で真っ直ぐな性格だ。　仕事場にある黒板にはチョークで、自転車の無料修理のことが書いてある。子供達が、お金がなくても安心して立ち寄れるように書いたという。自転車修理は自発的に始めたことで老人の楽しみだと話す。　始めたきっかけを尋ねると、「ある時、小学生の女の子が泣きそうな顔をして、パンクした自転車を引いて踏切を渡るの見かけたんだ。お金はいらないよと言って直してあげたら、女の子は恥ずかしそうにお礼を言って帰っていった。それからずっと無料修理を続けている」と振り返った。　修理道具は単純なもので20万ドン(約985円)ほどで購入した。必要な部品は、廃材回収業の隣人が無料で提供してくれる。タムさんには小学生の孫が7人いて、近くで暮らしている。「友達の自転車が故障したらここに連れて来なさい」と言ってある。昼食中でも子供が来れば修理を優先し、直した後は必ず、ルールを守って自転車に乗り、友達とけんかしたり、いじめたりしないよう諭している。

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