中央銀行元副総裁、控訴審で禁固3年から減刑 [社会]

　ベトナム国家銀行(中央銀行)の幹部が建設銀行(VNCB)に対する調査で責任を果たさず甚大な被害をもたらした事件の控訴審で、ホーチミン市上級人民裁判所は10日、VNCBの構造改革を直接指導していた中央銀行元副総裁のダン・タイン・ビン被告(男・64歳)に執行猶予付き禁錮3年の判決を言い渡した。

　ビン被告は、首相が承認した中央銀行によるVNCBの構造改革案に沿って構造改革を指導しなかったとされる。7月に開かれた一審裁判では、禁錮3年の判決を言い渡されていた。

　同裁判所は、ビン被告の家族に革命功労者がいることや捜査に協力していること、事件の背景、また一審裁判で禁錮3年以下の判決を言い渡されたこと、60歳以上であることを検討した上で、減刑を決定した。

　ビン被告と同じ罪に問われ、一審裁判で禁錮1年～2年6か月の判決を言い渡されていた中央銀行の別の幹部4人については、2人に対して減刑し、残る2人に対しては一審判決を支持する判決を出した。

　同事件に関連して、VNCBのファム・コン・ザイン元会長は調査の手抜きを利用して不正融資などを行い、VNCBに15兆VND(約730億円)の被害をもたらした。これを受けて、中央銀行は金融市場の安定性を維持するため、VNCBを0VNDで買い取って国有化せざるを得なかった。

　ビン被告は2005年から2014年にかけて中央銀行の副総裁を務めていたが、2014年に定年退職している。副総裁として監視・調査やマネーロンダリング防止などを担当していた。

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