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[社会]

国際技能競技大会で銀メダル獲得の学生、ベトナム勢最高位までの軌跡

2020/06/06 05:12 JST更新

(C) Thanh Nien
(C) Thanh Nien
 ロシアのカザンで2019年8月に開催された「第45回国際技能競技大会(WorldSkills Competition)」のCNCフライス盤(CNC Milling)の種目でベトナム初の銀メダルを獲得した北中部地方ゲアン省出身のチュオン・テー・ジエウさん(23歳)が、銀メダル獲得までの軌跡を語った。

 国際技能競技大会は世界各国の代表が職業技能を競う国際大会で、2年に一度開催されている。ベトナム代表の同大会出場は2019年大会が7回目で、ジエウさんはベトナム代表として過去最高位の銀メダルを獲得した。

 ジエウさんは11年生(日本の高校2年生)の時の技術の授業で図面を目にしてから技術分野に魅せられ、独学で見識を深めていった。それまで技術科目で優秀な成績を収めていたが、2015年の高校卒業 兼 大学入学統一試験(国家統一試験)では点数が振るわず、ハノイ市の工科職業短期大学の金属切断コースに願書を提出した。

 在学中に、日本企業が短大と連携し国際技能競技大会のCNCフライス盤種目への出場者を募集していることを知り応募したジエウさん。3年の間に国内の代表選考大会で4回戦まで進み、参加者100人以上を抑えて2019年4月の決勝で同種目唯一の出場権を得た。

 そして第45回国際技能競技大会では726点を獲得し、銀メダルに輝いた。優勝者とは4点という僅差だった。

 当初は力試しのため大会に参加するつもりだったが、練習を重ねていく中で次第にベトナムのためにメダルを獲得したいと考えるようになった。国際大会に向けての1年間は月曜日から土曜日の毎日朝7時から夕方18時、19時まで1日10時間も実技の練習に励み、日曜日は家でぐったりと身体を休めた。

 猛練習したジエウさんだったが、銀メダル獲得は容易いものではなかった。国際大会では図面のプログラミングで過去にないアクシデントに見舞われたのだ。実技で使用するソフトウェアにエラーが生じ、実行委員会がプログラミング会社によるエラーであることを確認。ジエウさんは作業時間を延長してもらえたが、作業は大幅におしてしまった。

 しかし、それまでの練習の成果を活かし冷静に対処したジエウさんは同大会でベトナム代表として最高位となる銀メダルを獲得した。帰国したジエウさんは、国家主席から2等労働勲章を受章した。

 現在ジエウさんはハノイ市の工科職業短期大学で学びながら、自動車部品メーカーの株式会社デンソー(愛知県刈谷市)のベトナム現地法人の正社員として勤務している。 

[Thanh Nien 08:16 26/05/2020, T]
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