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[特集]

ハーバード卒の女性教師、故郷に伝えるべきこと

2011/08/14 06:20 JST更新

(C) Viet Bao
(C) Viet Bao
 2010年5月、ホーチミン市出身のチャン・フーン・ゴック・タオは、アメリカにあるハーバード大学の博士号授与式に出席していた。世界でも指折りの有名校で経済学博士号を取得した26歳の彼女は、世界銀行(WB)や国際通貨基金(IMF)など名だたる国際機関の誘いを蹴ってベトナムへ帰国し、ベトナムの大学で教鞭をとる道を選んだ。  輝かしい笑顔で、ベトナム国旗を誇らしげに掲げるタオは、各国の学生の中においては小さく、まるで子供のようにも見える。実際に、彼女は飛び級で高校を卒業し、大学、大学院へと進学している。  16歳でニュージーランドの高校を優秀な成績で卒業した彼女は、イギリスのオックスフォード大学に奨学生として招かれる。4年後、主席で大学を卒業した後、ハーバード、ノースウェスタン、ケンブリッジ、オックスフォードなどの5校の大学院から学費免除の待遇で入学の誘いを受ける。最終的にタオは、ハーバード大学の経済学博士課程へ進学を決める。  博士号を取得するためには、800人の優秀なライバルたちとの競争を勝ち抜かなければならなかった。聡明な彼女のもとには、アメリカの一流企業から何度も誘いがあった。友人の誰もが彼女がアメリカで就職し、金融経済を牽引する存在になるだろうと思った。しかし、彼女の心には常に望郷の念があった。

 彼女は在学中も頻繁にベトナムへ帰省した。16歳でオックスフォード大学に通っていた頃、夏休みを利用して、メコンデルタ地方チャビン省で行われた学生キャンプに参加した。市場へ買出しに行って、食事を作ってくれる彼女がドンア(東亜)銀行頭取の父とフーニュアン・ジュエリー[PNJ]社長を母に持つオックスフォードの学生だと知ると、みんなはとても驚いた。  在学中にベトナム人学生と母国のために何か役に立ちたいと考えたタオは、在ロンドン・ベトナム人学生会を立ち上げる。更に世界中のベトナム人留学生達との架け橋となることを目指し、ホーチミン市の青年団と学生会の承認のもと在外ベトナム人学生クラブ(OVS)を発足させる。2007年には、ホーチミン市青年団が選ぶ「今年の顔」の5人のうちの一人に選ばれた。  ハーバード大学を卒業し、愛する故郷に帰ってきた彼女は現在、ホーチミン市経済大学の教壇に立ち、金融学を教えている。ベトナムの後進達に自分が学んできた知識を伝えるために。 

[Việt Báo (Theo_VTC) 03 2 2011, 15:39 GMT+7 U]
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