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[特集]

あの世に行く時も貧富の格差くっきり

2011/11/27 08:25 JST更新

(C) Tien phong, T.N.A
(C) Tien phong, T.N.A
 貧乏人は「死んだ時に棺桶さえあればいいさ」とよく口にする。しかし市場経済のこのご時勢、棺桶さえ用意できない家族もあれば莫大な費用をかけて葬儀を営む人もいるほど、貧富の格差は広がっている。  ホーチミン市の人口は2009年の時点で約712万3300人、死亡率は0.4%で毎年約2万8500人の人が亡くなっている計算になる。この需要に応えるため、同市には棺桶を生産する業者が300社ほどある。  トゥーズー病院近くの棺桶業者スオンさんは「葬式の様子を見ると、貧乏な人がまだまだ多い」と話す。引き取り手のいない死者のために、無料で棺桶を提供する事もある。別の業者によると、無料提供するのは教会や寺、慈善団体などを通してだけで、個人的に頼みに来ても応じないという。無料で手に入れた棺桶を売る輩がいるためだ。  1つの棺桶に苦労する家族がいる一方、葬式を自分の社会的地位を見せ付ける場と考える人々もいる。棺桶業者のチエウさんは米国やオーストラリアの業者と提携して、越僑の国内埋葬を請け負っている。米国で死亡した人の国内埋葬にかかる費用は8000~1万ドル(約62万2000~77万7000円)だ。装飾用の花代だけで3億ドン(約120万円)以上かかった盛大な葬儀の経験もあるという。「棺桶は特別な製品。買う人が使うわけではなく、また、使う人は買うことが出来ないものである。葬式をどう行うかは残された人の考え次第」とチエウさん。

 最近では、大金持ちの葬儀はイベント会社が手掛け、棺桶業者は下請け的な仕事を任される場合が多い。フランスの皇帝ナポレオン風の葬儀というものもある。宮廷服で着飾った100人が棺桶にかしずき、葬儀パレードは白のメルセデスベンツ10台を連ねて行うのだという。注意すべき点は、誰かが線香を手向けないようにする事だとか。  チエウさんは、葬儀まで貧富の格差を示す道具に使われているとし、「葬儀は本来厳粛なもので、大切なのは後に残された人に祖先を思い起こさせる事だ。今は形式に捕らわれる人が多く、伝統的文化が忘れ去られている」と嘆いた。  ホーチミン市ゴーバップ区にあるビンキム寺内には、慈善団体による棺桶業者があり、貧困者やエイズで亡くなった人に無料で棺桶を提供している。同寺の僧侶フオック・トン師は、「宗教は常に人々に節約を説いている。人は死んで土、水、風、火に還る。次の世でより良く生きたいのなら、この世で自分や他の人のためにどれだけ良い事をしたかが問われる。葬儀を盛大に行えば全てを変えられるという訳ではない」と語った。  

[Tien phong online, 13:41 | 18/11/2011, O ]
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