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[特集]

テトをごみの山で迎える人達

2012/01/22 08:34 JST更新

(C)Tien phong,Nam Cuong
(C)Tien phong,Nam Cuong
 旧正月(テト)を迎えるため華やかに飾りつけされた街の中で買い物をする人が多い中、新年をごみ埋め立て処分場で迎える人達もいる。ごみの中から売れそうなものを拾うごみ拾いの人やごみの埋め立て業務に携わる職員らにとっては、この時期が1年で最も忙しい。  中部ダナン市リエンチエウ区のカインソンごみ埋め立て場には、ごみ拾いで生計を立てている人が100人近くいる。その1人のフイン・ティ・ソーさんは、20年近くごみ拾いの仕事をしている。この仕事は体力勝負で、最近若者達との競争についていけなくなったソーさんは、人のあまりいない場所で古いごみを拾っている。子供達には別の生活をして欲しい、と語る。  ごみ収集車が到着するまでの間、グエン・クアンさんはごみの山の上で弁当を広げ、耐え難い臭いと蠅が飛び交う中で食べ始めた。「15年間もこうしているんだから慣れていますよ。空腹より臭いの方がましです」とクアンさん。収集車が到着すると、クアンさん夫妻は急いで車に向かった。夫妻には4人の子供がいる。上の2人の子は中学校を出て、ごみ拾いに加わっている。

 ごみ埋め立て場管理・廃棄物処理会社のハー・バン・タイ社長は、5年前に社長に就任してから毎年、新年をごみの山で迎えている。「我々が休めば、街中がごみに埋まることになります」と話す。新年の午前0時が近付くと、作業員らはいったん手を休めて、ささやかな新年のお祝いの準備に取り掛かる。最初の花火が上がると乾杯して、皆で歌を歌う。  現場で重機の誘導と整地を担当しているグエン・ドゥック・トットさんにとって、ごみの山での新年は20年来の習慣だ。トットさんは、2009年の大晦日はひどかったと振り返る。数日間雨が降り続いて、寒さと汚泥にまみれて新年を祝ったという。  ごみ埋め立ての仕事は、賃金が低く苦労が多い。タイ社長に新年の望みを尋ねると、「自分達の賃金は当局によって決められており、これ以上望むことはありません。ただ、あのごみ拾いの人達に仕事を作ってやって欲しいです。彼らにごみ拾いを禁ずることはできませんが、危険な仕事であることに違いありません。ここでごみを拾う人がいなくなることを希望しています」と語った。  ダナン都市環境公社によると、カインソンごみ埋め立て場では通常、1日平均600tのごみを受け入れているが、テト1週間前になると1000t以上に増加し、時に3000tに達することもあるという。  

[Tien phong online, 07:44 | 19/01/2012, O ]
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