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[特集]

獅子のたてがみを持つ神犬、富裕層に人気

2012/01/29 08:36 JST更新

(C) Vietnam net
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 チべット高原を原産地とする超大型犬「チべタン・マスティフ(チベット犬)」は、「東方神犬」とも呼ばれる希少種で中国の富裕層の間では、この犬を飼うことが一種のステータスとなっている。2011年3月、ある中国の大富豪がこの犬を150万ドル(約1億1600万円)で購入し話題となった。中国では、この犬のために送迎用の車を出したり、豪華な別荘を建てるということも珍しくない。特に首回りの毛色がライオンのように金色になっている「大獅子頭型」が人気だ。  しかし、これは中国に限った話ではない。最近では、このライオンのようなたてがみを持つ大型犬にハノイ市の路上で偶然出くわすということもあり得るのだ。もちろん高級犬なので、数は多くないけれども。  ギエム・スアン・キーさんは、チべタン・マスティフをベトナムに初めて持ち込んだ一人だ。同氏によると、生後2か月の仔犬で最低1500万ドン(約5万5000円)、見た目の美しい種類だと3500万~4000万ドン(約13万~14万8000円)はするという。さらに成犬は数億ドンを下らないそうだ。「定価があるわけではなく、質のいい犬は買い手次第で数億ドンから十億ドンになるものもある」と同氏は語った。

 また、チべタン・マスティフは非常に身体能力が高く獰猛な性格で、虎とも同等に戦えると言われている。そのため、飼育する場合は、飼い主の命令に従順であることも必要な条件とされている。さらに同氏は、お金持ちであるからといって、この犬を飼えるわけではないと強調した。この犬を飼うには少なくとも次の3つの条件を満たす必要があるという。夢中になること、お金、そして時間だ。  購入するのにはもちろん、飼育するのにもお金がかかる。この犬は暑さが苦手なため、エアコン完備の部屋を作る人までいる。餌は新鮮な肉を好むので、鶏や鴨、豚の肉などを用意しなければならない。1か月の餌代は200万ドン(約7400円)にもなる。  しかし何よりも大事なのは、夢中になることだ。「主人」と「犬」という主従関係では、この犬を飼うことは難しい。ベトナム人は昔から犬と友人のように接してきたが、そのような接し方が大切だ。「この犬はとても賢く、独立心が強いので躾けるのが難しいのです。また人間の感情に敏感で、飼い主に怒られることに耐えられません。飼い主には友人のように懐きますが、尻尾を振って媚びることはありません」と同氏は語った。飼い主は常に犬を連れて回らないといけない。時間が必要というのはそのためだ。  この犬を飼ったことがある人や現在飼っている人に聞くと、飼うのは簡単ではないが、知れば知るほど夢中になって気にならなくなるのだそうだ。勇ましい姿や瞳を持ちながらも、飼い主に対しては誠実で、一番に駆けつけてきてくれるのだという。 

[2011年12月12日 Vietnam net]
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