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[特集]

「母親が死ねば赤子も道連れ」、ベトナムに残る恐ろしい風習

2013/10/20 08:17 JST更新

(C)tin moi, 遺体と暮らすモン族
(C)tin moi, 遺体と暮らすモン族
 ベトナムには、葬儀にまつわる独特の風習を持つ地方がいくつかあるが、その中でも驚きの風習についていくつか紹介しよう。  東北部タイグエン地方の山岳部に住むバナ族とジャライ族には、「ゾ・トム・アミ」と呼ばれる風習がある。出産時に母親が死亡した場合、生まれた赤ん坊も一緒に葬ってしまうというものだ。  また、授乳期間が終わらないうちに母親が死んでしまった場合も、その子供は生き埋めにされるか、森に捨てられる。森に捨てられれば自力で生きることは不可能だ。赤ん坊の父親がこの風習を望まなくても、周囲の人たちの強い圧力で従わざるを得ないのだという。  この風習の始まりは定かではないが、恐らく山岳部の生活が厳しく、母親を失った乳飲み子が生き延びる可能性が極めて低いことから、「あの世で母親に面倒を見てもらったほうが幸せ」と考えられるようになったのだろう。この時代錯誤の風習により、今もなお犠牲になっている赤ん坊がいる。

 中部高原地方ザライ省に住むジャライ族の間では、「双子はその母親への天罰」であり、双子のうち後に生まれた赤ん坊は両親や親族に災いをもたらすとされている。三つ子などが生まれようものなら、村人にとっては恐ろしい災いだ。そのため、村人たちは、後に生まれた赤ん坊を森の中に生き埋めにし、赤ん坊に宿る悪霊が村へ戻れないようにするのだという。  10年ほど前のこと、ある女性が双子を産んだ時も、村人たちは後に生まれた赤ん坊を森に生き埋めにしようとした。一人の老人がなんとかこれ止めようと、村の公安長と共に家族を説得した。一晩中話し続けて、村人たちはようやくこれが「悪習」であることを理解し、赤ん坊は死なずに済んだという。この時助かった双子は元気に育っているが、今もこの古い習慣が完全に廃れたわけではない。  西北部ソンラ省バックイエン郡ホンガイ村に住むモン族には、かなり変わった埋葬の風習がある。家族の誰かが死んだ場合、遺体がまるで生きているかのように一緒に生活するのだ。毎日遺体の口に食事を運び、日中は外に出してやる。髪の毛が抜け落ち手足がもげても続けることさえあるという。近年では以前のように何十日も行うことはなくなったが、この風習は今でも続けられており、死後1~3日程度行われているという。 

[20/02/2013 Tin Moi, S]
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