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[特集]

テンニンカワイン生産で貧困援助する女性社長

2015/01/25 07:43 JST更新

(C)Tien phong,テンニンカワインを持つニエムさん
(C)Tien phong,テンニンカワインを持つニエムさん
(C)Tien phong,テンニンカ(シム)の実
(C)Tien phong,テンニンカ(シム)の実
 南中部高原地方コントゥム省コンプロン郡マングデンは、海抜1800mの高地にあり、面積の82%を原生林に覆われている。2013年に国のエコ観光区に選定された。国道が通じていて、ダックケー湖の周囲には200棟もの別荘が建ち並び、「第2のダラット」と呼ばれている。  しかし、インフラがまだ十分整備されていないことや気温が低いこと、コンプロン郡の人口の90%が少数民族で全ての村が経済的に特別困難な地域とされていることなどが障害となって、マングデンを中部高原地方北部の経済重点地域にするという目標は実現できていない。  農林産品加工を手掛けるシム・ティエンソン社の女性社長で食品技術士のグエン・ティ・ニエムさんは、貧困援助のためにコンプロン郡を何回か訪れる度に、地元に自生するテンニンカ(ベトナム語で「シム」と呼ばれる)を利用して、少数民族の貧困状況を何とか改善したい、と思うようになった。  ニエムさんは2010年、母校のカントー大学(メコンデルタ地方カントー市)を訪れ、恩師やフランスのワイン専門家にマングデンのテンニンカによるワイン製造の研究を依頼。2012年に満足できる製品に仕上がった。

 コンプロン郡にワイン製造工場を建設する計画は承認を得られたが、工業団地のインフラ整備が資金不足で進んでいないため、ひとまず職業訓練校の土地を借りてワインを製造している。  ニエムさんは、少数民族の女性達が摘んだテンニンカの実を買い取っている。1日数時間働けば約20kgの実を収穫でき、1kg当たり1万2000~1万5000VND(約66.7~83.3円)の収入になる。収穫の季節は3か月ほど続くため、彼女達の大きな収入源になっている。  マングデンのテンニンカワインが誕生して3年近くが経ち、全国の消費者に知られるようになった。2014年の暮れ頃から、小売最大手のホーチミン市商業合作社(サイゴンコープ=Saigon Co.op)のスーパーなどの棚に並び始めている。今年は数万本の売上を予想している。  ニエムさんの熱意に応じる形で、コントゥム省とコンプロン郡の指導部は、467ha余りのテンニンカ林の管理と、郡が50億VND(約2780万円)を投じて建設したスーパーの運営を彼女に任せることを決めた。ワインをはじめとするマングデンの特産品を紹介する場になるという。  

[Tien phong,13:16 20/01/2015,O]
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