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[特集]

犬肉料理になりかけたベトナム犬とスコットランドの自閉症児の友情物語

2015/03/22 07:20 JST更新

(C)Dan tri、カイル君とミラクル
(C)Dan tri、カイル君とミラクル
 英国で開催された世界最大のドッグショー「クラフツ(Crufts)」で、人間を助けて真の親友になった犬に贈られる「クラフツ・ユーカヌバ・フレンズ・フォー・ライフ(Crufts Eukaneba Friends for Life)賞」が、ベトナムで犬肉料理になりかけた犬の「ミラクル」に贈られた。  ミラクルは2年前、数百匹の犬と共にトラックに詰め込まれ、タイからベトナムに不法に売買される途中で、動物愛護団体のソイドッグ(Soi Dog)に救出された。犬達はハノイで犬肉料理になるはずだった。  ソイドッグは救出した犬の写真をソーシャルネットワーク(SNS)上に掲載して、新たな飼い主を募集した。英国スコットランドのストラスグラスに住む女性アマンダ・リースク(Amanda Leask)さんは、脳性麻痺と自閉症を患っている6歳の息子カイル(Kyle)君と話して、ミラクルを飼うことに決めた。  カイル君は、人との接触が非常に困難な状態だった。アマンダさんは、自閉症児は家族のペット、特に犬との間で友情を育むことができると知り、既にソイドッグを通じて3匹の犬を飼っていた。かわいそうな境遇の犬を助けると共に、カイル君の助けにもなる、そんな思いだった。

 家に来たミラクルはカイル君と無言で理解し合うようになったという。「カイルが自分の欲しい物をうまく表現できずにがっくりしていると、ミラクルはいつもそれを口にくわえて現れカイルの隣りに置きます。ミラクルは、カイルがいつ自分を必要としているのかを分かっているようです。カイルが気持ちを落ち込ませると、ミラクルはすぐに跳んできます。ミラクルがこの家に来てから、カイルは以前よりずっと明るくなりました」とアマンダさん。家族にとってミラクルは、その名の通り奇跡を起こした。  アマンダさんによると、ミラクルがカイル君の生活を変えたように、ミラクル自身もカイル君と触れ合うことで変わったという。ミラクルは家に来た当初、傷付いて自信をなくし不安そうな様子だったが、カイル君と接するうちに徐々に自信を取り戻していった。家族の中でミラクルと一番仲が良いのはカイル君だ。  アマンダさんは、ミラクルに贈られたフレンズ・フォー・ライフ賞の賞金1500GBP(英ポンド)(約27万2000円)を、ソイドッグと自閉症児支援協会に寄付する計画だという。 

[Dan tri,17/03/2015 - 10:47,O]
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