[経済]
VN30決算から読む企業収益、利益成長が売上成長を上回る
2026/05/12 13:28 JST更新
) (C) kienthucdautu |
VN30インデックスを構成する主要上場企業30社すべてが2026年1~3月期の連結財務諸表を公表した。30社の売上高合計は前年同期比+36.4%増の640兆5680億VND(約3兆8000億円)、税引後利益合計は同+53.8%増の130兆0220億VND(約7700億円)となった。
売上・利益ともに大きく伸びたことに加え、利益の伸びが売上の伸びを上回った点は注目される。これは、主要上場企業が単に事業規模を拡大しているだけでなく、採算性の改善も進めていることを示している。
30社の売上高合計は、2025年の国内総生産(GDP)の約5.0%に相当する規模で、VN30構成企業の業績は、ベトナム経済全体の企業収益動向を読み解くうえでも重要な指標となる。
<2019年~2026年四半期別の主要上場企業30社の売上高/利益合計>
記事のポイント
今回の決算は、主要上場企業の収益力が大きく回復していることを示す内容となった。利益拡大の中身を見ると、銀行セクターの安定した収益に加え、不動産、鉄鋼、消費、小売、航空関連など非金融分野の回復も寄与している。
一方で、一部企業では特殊要因による利益押し上げもあり、今後の持続性を見極める必要がある。
売上・利益ともに大半が増加、減少は一部に限定
1~3月期に売上高が前年同期から減少したのは、◇VリーグSHBダナンのスポンサーとして知られる大手民間銀行
サイゴンハノイ銀行[SHB](Saigon - Hanoi Commercial Bank)、◇ホーチミン市を本拠地とする大手民間銀行
サコムバンク[STB](Sacombank)、◇地場不動産開発BRGグループが関わる中堅銀行
シーバンク[SSB](SeABank)、◇IT最大手
FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)、◇半導体原料の黄リンで世界需要の3割を生産する
ドゥックザン化学[DGC](Duc Giang Chemicals Group)の5社だった。
このうちFPTの減収は、年初から
FPTテレコム[FOX](FPT Telecom)が連結対象から外れたことによるもので、親会社株主帰属利益への影響はない。
利益面で減少を記録したのは、◇CSR(企業の社会的責任)活動に注力する中堅銀行
LPバンク[LPB](LPBank)、◇無人銀行サービスで差別化を図る中堅銀行
TPバンク[TPB](TPBank)、◇日本のエネオス(ENEOS)が出資する石油・ガソリン小売最大手
ペトロリメックス[PLX](Petrolimex)、◇STB、◇SSB、◇DGC、◇FPTの7社だった。このうち、PLXは赤字に転落した。
また、VN30構成銘柄の中で税引後利益が1兆VND(約59億円)を下回ったのは、DGCとPLXの2社のみで、構成企業の多くが高水準の利益を確保した。
大幅増益の企業
一方で、一部の企業は利益が3~4桁のパーセンテージで急増した。これには、◇不動産開発を中核とする民間複合企業
ビングループ[VIC](Vingroup)の子会社で住宅開発最大手
ビンホームズ[VHM](Vinhomes)、◇同グループ子会社で国内トップの観光・リゾート・娯楽ブランドである
ビンパール[VPL](Vinpearl)、◇鉄鋼大手で多角化路線を歩む
ホアファットグループ[HPG](Hoa Phat Group)、◇畜産、食品・飲料、小売、鉱山採掘を手掛ける民間複合企業
マサングループ[MSN](Masan Group)などが挙げられる。
特にHPGは、子会社への出資持分の売却により特別利益を計上した。こうした特殊要因は短期的に利益を押し上げる一方、継続的な収益力とは分けて見る必要がある。
利益は主要産業に集中
数兆VND規模の利益を稼ぎ出した企業群は、主に銀行業をはじめ、VICやMSNの関連企業、石油・ガス、航空および航空サービス、小売業、消費財の各セクターに集中している。
不動産セクターからは、VHMとVIC系の高級小売スペース賃貸最大手
ビンコムリテール[VRE](Vincom Retail)の2社が1兆VND超えのグループに入った。
この構図からは、企業収益が銀行や不動産といった従来の主力セクターに依存しながらも、消費、流通、素材、航空関連などに広がりつつあることが読み取れる。特に非金融分野の利益回復は、内需やインフラ投資、観光・移動需要の回復を反映している可能性がある。
[Doanh Nghiep Kinh Doanh 11:18 04/05/2026, A]
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