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東南ア主要4か国のEV消費者調査、ベトナムは航続距離に強い関心
2025/04/15 06:01 JST更新
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株式会社矢野経済研究所(東京都中野区)は2024年11月に、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムのASEAN主要4か国における電気自動車(EV)の消費者ニーズについてアンケート調査を実施し、各国のユーザー動向を把握して、その傾向を比較分析した。
調査では、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムに居住する、自動車運転免許を保有、かつ世帯で自動車を保有する20代~50代以上の男女1600名(1か国当たり400名)にアンケート調査を実施した。
EVのイメージについて、航続距離や充電時間、メンテナンス、デザイン等9つの設問を設けて、「よく当てはまる」、「やや当てはまる」、「どちらとも言えない」、「やや当てはまらない」、「まったく当てはまらない」の5段階で回答を得た。
4か国合計(全体)で「よく当てはまる」、「やや当てはまる」と回答された合計比率が80%以上となった設問は5項目、そのうちEVの課題点とされる「気になる」項目は下記の3項目だった。
1つめは「何km走れるかが気になる」。4か国合計では「よく当てはまる」が67.1%、「やや当てはまる」は26.1%であり、走行距離を気にしている消費者が多いことが分かる。「よく当てはまる」の回答率を国別に比較すると、ベトナムが最も高い76.3%、次いでインドネシア69.8%、タイ67.5%、マレーシア54.8%だった。
2つめは「充電時間が気になる」。4か国合計では「よく当てはまる」、「やや当てはまる」と回答した合計は93.4%であり、特にタイは「よく当てはまる」63.5%、「やや当てはまる」31.8%になり、合計の回答率は95%を超えた。
3つめは「バッテリーの劣化が気になる」。4か国合計では「よく当てはまる」54.3%、「やや当てはまる」34.2%であり、合計の回答率は88.5%だった。国別に回答率を比較すると、タイは「よく当てはまる」、「やや当てはまる」の合計が90%を超えており、航続距離や充電時間と同様にEVのバッテリーの劣化についても消費者の不安が高いことがわかった。
次に、消費者が求めるEVへのニーズとして、具体的な航続距離・充電時間をアンケート調査で尋ねた。航続距離は一回の充電で運転できる距離とし、充電時間は外出先での充電を想定して回答を得た。
航続距離は、4か国合計では「201km~300km」が最も多く27.0%、次いで「301km~500km」は24.3%、「151km~200km」が20.1%。一方で航続距離「150km以下」の回答は最も少なく12.8%だった。
国別に回答率を比較すると、タイでは75.5%が「201km以上」の航続距離を求めており、そのうち29.0%が「301km~500km」だった。また、「501km以上」も4か国の中で最も高い24.0%で、長距離走行のEVのニーズが高いと推定できる。
インドネシア、マレーシア、ベトナムについても「201km~300km」が最多で、それぞれ27.8%、25.5%、32.3%だった。「150km以下」と回答した割合は、タイが7.8%で最も低く、マレーシア13.8%、ベトナム14.5%、インドネシア15.0%と続いた。4か国ともEVを短距離走行の「街乗り」で利用するニーズは低く、特にタイでは一般的なガソリン車と同じ距離を希望していることがわかった。
また、外出先での一回の充電時間について、4か国合計では「16~30分」が最多で34.0%、次いで「31~60分」27.8%、「11~15分」が17.6%だった。一方、「5分以内」、「6~10分以内」の回答は少なく、合計の回答率は12.5%となった。
国別に回答率を比較すると、マレーシアでは「31分以上」の回答率が40%を超えており、そのうち「61分以上」は13.0%と4か国中で最も高く、EVの長時間充電を許容する傾向がややある。ベトナム、タイは「16~30分」が最も高く、それぞれ39.0%、37.8%だった。
[2025年4月14日 株式会社矢野経済研究所ニュースリリース,U]
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