死刑宣告のタイ人、9年の拘留後に保釈 [三面]

　ホーチミン市警察は5日、2003年に殺人容疑で死刑を宣告されたタイ人のデン・チャイ・ヌティパニッチさんを、9年間の拘留後に、証拠不十分として保釈することを決定した。ただし取り調べはまだ続いており、市外に出ることは許されていないという。　この決定は、被告側弁護士であるレ・ホン・クアン氏やデン・チャイさんのベトナム人妻の家族が、捜査・訴追手続きの時効を受け、人民検察院に対して保釈を求めた後、発表された。　2000年6月30日、デン・チャイさんが泊まっていたホーチミン市内のホテルの部屋の中からバラバラに切断された身体の部位が発見されたため、デン・チャイさんは拘留の身となった。遺体はその3日前から行方不明になっていたグ・ルオンさんのものと判明。ルオンさんとデン・チャイさんは、サッカー賭博の賞金の分配をめぐって口論していたとされる。　デン・チャイさんは殺人容疑で起訴され、2003年の一審判決では、ルオンさんの血痕がデン・チャイさんのアパートにあったバックパックに付着していたことから死刑を求刑された。　しかし最高人民裁判所は2004年、バックパックが最初に発見された時に封印されなかったとして、この証拠の信ぴょう性に疑義を呈した。また遺体が入っていたバックパックから発見された髪の毛や指紋はルオンさんやデン・チャイさんのものではなかった。これらの矛盾を考慮し、最高人民裁判所は事件の再捜査を命じたもようだ。

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