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[社会]

廃油を集めて食用油に「再製」、正体不明の化学物質で

2012/12/29 08:26 JST更新

(C)Nguoi lao dong
(C)Nguoi lao dong
 廃油を集めて食用油として再製する。こう聞けば「ひょっとしてエコ?」などと思うかもしれない。しかし再製された油は、正体不明の化学物質を使って作られ、有名ブランド製品のパッケージに詰めて売られている。  ハノイ市ホアイドゥック郡ズオンリエウ村は、「ハイテク村」と呼ばれている。村の90%余りの世帯が、各種日用品の生産に携わっているからだ。ただしほとんどの製品は低品質の模造品や偽物で、食用油もその一つだ。  この村の住人で廃油集めを専業にしている男性ザンさんは毎日、自動三輪車にプラスチック製の大型容器を積んで、市内のレストランや食堂などを回る。1日当たり約500リットル集めて、村内のサウ市場を拠点とする廃油再製業者に売却する。  業者は、廃油を大きなステンレス製容器に流し込んで加熱し、白い粉を大量に投入してかき混ぜる。別の容器に移してさらに30分ほど加熱すると、廃油の色が濁った黄色から明るい黄色になり、やがて新品の油かと見紛う透明な黄色に変化する。  作業員らによると、この白い粉は中国製で、色を透明にする他、不純物を沈殿させる効果があるという。人の健康にどんな影響があるかは誰も関心がないようだ。彼らは上澄みの油をすくい取って、プラスチック容器に移し変えていた。

 業者によれば、再製油には1類から3類まで3種類の等級があり、1類は本物とほとんど変わらないが、3類の格安品は冷えると固まってしまうという。  サウ市場には、再製油を含む日用品を取り扱う販売代理店がある。店内には食用油の入ったダンボール箱が積まれており、箱には有名メーカーの商標が印刷されている。しかし使用期限や連絡先などは記されていない。これらの商品は、市内と周辺各省の市場や小売店で販売されている。  市内の各学校の近くには、必ずと言っていいほど各種の揚げ物系のおやつを売る店や屋台がある。しかし、これらのおやつがどんな油を使って揚げられたのか、関心を持つ人は少ないようだ。  貿易大学近くのバインコアイ(ベトナムのお好み焼き)店の店主は、何度揚げても色も臭いも変わらない食用油が最近現われて、よく売れていると教えてくれた。この油もおそらく再製油に間違いないだろう。 

[Nguoi lao dong online,14/12/2012 09:46,O ]
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