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[社会]

ベトナム航空の最年少女性パイロット

2014/05/01 08:01 JST更新

(C)VnExpress,VNTG、エアバスの操縦席のチャウさん
(C)VnExpress,VNTG、エアバスの操縦席のチャウさん
 ベトナム航空(Vietnam Airlines:VNA)には現在、1000人近くのパイロットがいる。このうち女性は13人(ベトナム人7人、外国人6人)いて、25歳のグエン・キム・チャウさんは最年少女性パイロットだ。  チャウさん3人姉妹の長女で、家族に航空関係者はいない。チャウさんは高校の卒業年を前にしたある日、大学には進学せず航空業界に就職したいという自分の考えを両親に打ち明けた。「客室乗務員になりたいのかい?」、「いいえ、パイロットになりたいの」、「えっ、何でまた女性に向かないそんな仕事を選ぶんだい? 苦労が多くて大変だよ、よく考えたのかい?」、「私の夢なの」、「分かった。考えさせておくれ」。父親との間でこんな会話が交わされた。  それから数日後、父親は「パイロットになりたいなら、よく食べて体力を付けることだ」と告げて、チャウさんの希望を認めた。翌日からチャウさんは、大学に進学する友人達が勉強に励む中、英語と体力作りの運動に取り組み、採用通知を手中にした。  パイロットになるには、国内で1年間学んだ後、選抜された人だけが海外で養成コースを受講することになる。チャウさんは2009年、フランスでの養成コースの受講者として選ばれた。学校の寮で自炊生活をしながら、気象学、動力学、機械学、心理学、操縦方法など14科目を6~9か月かけて学んだ後、実習訓練に入る。チャウさんが今でもはっきり覚えているのは、教官1人と訓練生2人が乗った小型機での最初の離着陸訓練だ。夢のような瞬間として、脳裏にはっきりと刻まれているという。

 やがて、パイロットになるために誰もが越えなければならない関門である単独飛行訓練に移る。ベトナムの訓練生の中には、過去に山に墜落して死亡した人がいた。1人ではどうしても操縦することができず、帰国した人も少なくない。  チャウさんも、自分1人で操縦できるのか、何か起きた場合に対処できるのかと不安に駆られたという。「単独飛行に臨む時は、地上での細々したことは全て忘れて、操縦に集中するようにしました。ツバメが空を飛んでいるイメージを描き、自分は他の人ができないことを見聞きできるのだと自信を持つようにしました」  チャウさんは2010年末に、1年8か月のフランスでの訓練を終えて帰国し、短距離路線でATR72型機の副操縦士として働き始める。2013年9月には、エアバス330型機の副機長を任されるようになった。飛行時間が8~10時間に及ぶ日本や韓国、オーストラリアに向かう国際路線だ。  チャウさんは現在、6日勤務で1日休み、または7日勤務で2日休みのスケジュールで働いている。家に帰ると、妹を誘ってスイーツを食べに出かける。休日には音楽を聴いたり、映画鑑賞が好きな年頃のお嬢さんの顔に戻る。 

[VnExpress,12/4/2014 | 10:19 GMT+7,O]
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