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[社会]

殺人現場に居合わせた交通警察官、「見て見ぬふり」で降格処分

2019/10/14 05:35 JST更新

(C) zing
(C) zing
 北部紅河デルタ地方ニンビン省の路上で4月1日に女性が恋人の男に殺害された事件で、トー・ラム公安相はこのほど、現場に居合わせながら女性を救助しなかった交通警察官を中佐から大尉に降格した。

 降格処分を受けたのは、同省交通警察部のグエン・チー・キエウ警察官。キエウ氏は降格処分を受けた後に定年退職を希望し、管轄機関の同意を得た。

 殺人事件があった現場は同省ニンビン市ドンタイン街区(phuong Dong Thanh)の路上。事件発生当時、銀行員を務めていたT・T・T・Hさん(女性・25歳)と、Hさんの恋人だったファム・バン・ギ容疑者(男・31歳)の2人は乗用車に乗って通りを走行していたが、車内で激しい口論となり、Hさんが車外に飛び出し「殺される」と周囲に助けを求めた。

 バイクに乗った通行人の男性が様子を見ようとしたところ、ギ容疑者の運転する車に衝突され、転倒し負傷した。Hさんはその後、車を乗り捨て追いかけてきた同容疑者にはさみで胸部や首などを刺されて死亡した。

 市民からバイクと車が事故を起こしたとの通報を受けてキエウ氏が現場に駆け付けたものの、緊急通報用の113番(日本の110番に相当)に通報しただけで、Hさんが殺害される様子をわずか数m離れたところから見ているだけだった。警察官が殺人事件の現場を「見て見ぬふり」する様子を撮影した動画が拡散され、大きな波紋を呼んだ。

 ギ容疑者はその直後にはさみで自殺を試みたが、病院に救急搬送されて一命を取り留めた。同容疑者は逮捕されて捜査を受け、裁判を待っている。 

[Vnexpress 20:53 10/10/2019 / Zing 17:12 10/10/2019, A]
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