VIETJO - ベトナムニュース 印刷する | ウィンドウを閉じる
[社会]

新型コロナで重症の英国人を救いたい、ベトナム人10人がドナー提供を申し出

2020/05/14 16:53 JST更新

(C) zing
(C) zing
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患し重症化したベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)の英国人パイロット(男性・43歳、国内91人目の感染者)が肺移植でしか助からないとの連日の報道を受け、14日午前までにベトナム人10人が自分の肺の一部を使ってほしいと申し出た。

 この中には、慈善活動に携わる40代の女性や70代の退役軍人の男性などが含まれる。見ず知らずの英国人男性を助けたいと思った理由について、この女性は「これまで多くの人々からたくさんの愛をもらって生きてきた。その愛を分かち合い、人を助けるのは当然のこと」と話した。また、退役軍人の男性は「誰かを助けたいと思うのは人の世の情け。こうした行いは、ベトナムという国が世界から信頼されることにも繋がる」と述べた。

 保健省医療評議会はこれに先立ち7日に開かれた会合で、英国人男性患者の肺移植を検討中であることを明らかにした。ベトナムの医療機関は生体肺移植のドナーを申し出た10人の意思を尊重しながらも、まずは脳死ドナーから適応例を見つけたいとした。数日前に、脳死ドナーが見つかったものの、精密検査の結果で肺に感染症が見つかったため、使用を断念した。

 英国人男性患者は現在、ホーチミン市の熱帯病病院に入院中だが、既に1か月以上にわたって体外式膜型人工肺(ECMO)治療を受けている。父母も妻子もなく、英国にいる叔母が唯一の肉親だという。

 この男性は免疫系が暴走するサイトカインストーム(サイトカインが過剰に産生され、正常な細胞まで攻撃してしまう免疫反応)を起こしており、肺は線維化し、約10%しか機能していない。ドナーが見つかって諸手続きも済めば、ホーチミン市チョーライ病院に転送され、手術が行われる見通しだ。 

[Tuoi Tre 07:01 14/05/2020 / Zing 16:48 13/05/2020 U]
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved.


このサイトにおける情報やその他のデータは、あくまでも利用者の私的利用のみのために提供されているものであって、取引など商用目的のために提供されているものではありません。弊サイトは、こうした情報やデータの誤謬や遅延、或いは、こうした情報やデータに依拠してなされた如何なる行為についても、何らの責任も負うものではありません。

印刷する | ウィンドウを閉じる