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[社会]

ハノイ:幼子抱えた妻をめった切り、夫に死刑判決 妻の父は減刑望むも

2022/05/20 03:09 JST更新

(C) tuoitre
(C) tuoitre
 2021年2月に幼い子供を抱いた女性が夫にめった切りにされ、その場で死亡した事件で、ハノイ市人民裁判所は18日、ブー・タイン・フン被告(男・38歳、ソンタイ町在住)に死刑の判決を下した。

 起訴状によると、被告と妻のN・T・T・Tさん(女性・34歳)の2人は2018年に結婚し、7歳、4歳、8か月の3人の子供を育てていた。しかし、2020年から夫婦の間でトラブルが発生したため、Tさんは離婚を求めたが、被告は同意しなかった。

 2021年2月16日午前10時ごろ、被告が調理中に子供たちの泣き声が聞こえたため、長女に下の子をいじめないよう注意した。それを目撃したTさんは、被告が4歳の子だけをかわいがっていると非難し、2人は言い争いになった。

 Tさんは口論中に再び離婚を求め、長女と末子を連れ出して実家に戻り、4歳の子は被告に育てさせると告げた。

 妻の態度に怒りを覚えた被告は食後の午前11時45分ごろ、ナイフを取り出して居間で子供を抱いていたTさんを容赦なく切りつけた。Tさんは外に逃げ出そうとしたが、門にたどり着いたところでつまずいてしまい、追いかけてきた被告に腹部を蹴られた上でナイフで複数回切り付けられ、その場で死亡した。

 Tさんの父親であるN・M・Cさん(70歳)は、妻は脳梗塞になり、息子は障害があり車椅子を使わなければならないなど、一家が非常に困難な状況にあり、経済的にも余裕がないとし、今後は3人の孫の世話もしなければならず生活がさらに困窮すると涙ながらに境遇を打ち明けた。

 Cさんは、孫たちがいつか父親と再会できるよう、裁判所に対し被告に死刑を言い渡さないよう要請した。しかし、裁判所は被告が凶悪かつ悪質な手口を使ったと判断し、更生や情状酌量の余地はなく社会から永久に排除する必要があるとし、要請を却下して死刑判決を下した。

 中央司法精神医学研究所によると、被告は2015年、幻覚剤の使用による精神病性障害の治療を受けていたが、すでに完治している。鑑定が行われた2021年5月14日時点で、被告はうつ病を患っていたが、それでも行動を認識し制御することが可能だったと結論付けられている。

 裁判が開かれる前、被告の家族は精神的損失の賠償と子供3人の養育費として、遺族に15億5000万VND(約870万円)を支払った。 

[Tuoi Tre 14:21 18/05/2022, A]
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