ホーチミン：病院で献血詐欺、チャリティ団体メンバーを在宅起訴 [社会]

　チャリティ団体のボランティアという立場を悪用し、献血者を騙して血液を集め、輸血を受ける患者の家族から金銭を騙し取っていた男が在宅起訴された。同市10区警察が11日に明らかにした。

　在宅起訴されたのは、ホーチミン市赤十字社傘下のレッドクロス実業家クラブのソーシャルワークボランティア副部長を務めていたホアン・チョン・アン容疑者(男・70歳、ホーチミン市タンビン区在住)。

　アン容疑者は刑事法第174条に触れ、詐欺・資産横領容疑で捜査を受けている。高齢のため、逮捕はされず在宅起訴された。地元紙「トゥオイチェー(Tuoi Tre)」に6月に掲載された同紙の独自調査を踏まえ、警察が捜査に乗り出し今回の在宅起訴に至った。

　容疑者はボランティアの立場を悪用し、10区にある心臓病院に献血者を手配し、ここで治療を受けている患者に輸血を受けさせていた。献血者は無償で患者に血液を提供していたが、容疑者は「献血者への報酬」として輸血を受ける患者の家族から1回(血液350ml)につき100万～300万VND(約5700～1万7000円)の現金を受け取っていた。

　心臓病院には血液バンクがあるが、安定したストックを確保するため、患者の家族はこの血液バンクに献血2回分の計700mlの血液を提供するか、手術に必要な分の血液を購入しなければならない。ただし、血液の購入価格は高水準となっている。

　容疑者はこの規定を悪用し、「代わりに献血する人を探すので、お礼のお金を渡せば問題ない」と、献血ができない家族に提案していた。しかし、この「お礼」は家族から献血者に直接渡されることはなく、容疑者が受け取っていた。なお、容疑者が患者の家族らから騙し取った総額は明らかにされていない。

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