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[社会]

ホーチミンで1年半前に紛失の財布、400km離れたニャチャンで発見

2023/12/21 17:45 JST更新

(C)tuoitre
(C)tuoitre
 退役軍人のファム・バン・ドンさんは、1年半も前に訪問先のホーチミン市で紛失したはずの財布が、今になって南中部地方カインホア省ニャチャン市内で見つかったとの知らせを聞いたとき、驚きを隠せなかった。

 ニャチャン市在住のドンさんは、身分証明書や1000万VND(約5万9000円)以上の現金が、そのまま残された財布が手元に戻ってきて数日が経った今も、驚きと嬉しさを噛みしめている。

 ドンさんは2022年7月末、友人の葬儀に出席するため、寝台バスでニャチャン市からホーチミン市へと向かった。多くの友人やかつての仲間たちから、故人に香典を渡して欲しいと頼まれたので、休憩所のATMで1000万VNDを引き出して財布にしまった。バスに戻ると、座席に備え付けられたかごに財布を入れた。その後、ドンさんが車内のトイレに行って戻ってくると、財布がなくなっていた。

 ドンさんは、「トイレを出た時、乗客は全員バスを降りていて、運転手と車掌だけが残っていました。車掌に尋ねると、財布を受け取っていないし、誰もかごから財布を取り出した様子はなかったと言いました」と振り返った。

 犯人を探すため、ドンさんはバス会社に連絡して監視カメラを確認するよう依頼。ホーチミン市のチケット売り場で、車内での財布紛失について届け出たが、犯人は見つからなかった。ドンさんは、故人に香典を渡すため、ホーチミン市の友人に借金をしなければならなかった。

 財布紛失から1年半が過ぎようとしていた今年12月中旬。ニャチャン市税務支局の職員と青年団が敷地内の清掃を行っていた際、植木の根元にカビが生えた財布が落ちているのを発見。財布を拾ったHさんが中身を確認すると、多額の現金と身分証明書、そして人民軍のパイロットだったことを証明する書類が出てきた。

 偶然にもHさんの夫は、空軍士官学校に勤めており、Hさんは財布から見つかった書類の写真を撮って夫に送付。夫は財布の持ち主が、かつての上官であるドンさんだとすぐに気づいた。Hさんは、税務支局と青年団に許可を得て、財布をドンさんに返却した。

 財布を受け取ったドンさんは、「ホーチミンで失くした財布が、長い時間をかけてニャチャンで見つかるとは思っていませんでした。見つけてくれた税務支局と青年団の若者たちには、とても感謝しています」と語った。 

[Tuoi Tre 13:26 20/12/2023 U]
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