宇宙から初の「シンチャオベトナム」、ベトナム系女性が宇宙飛行 [社会]

　米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)の創業者ジェフ・ベゾス氏が設立した航空宇宙企業ブルー・オリジン(Blue Origin)は14日、女性6人を乗せた宇宙船「ニュー・シェパード(New Shepard)」による宇宙飛行を成功させた。

　宇宙船に搭乗したのは、越僑女性アマンダ・グエンさん、航空宇宙技術者のアイシャ・ボウさん、ジャーナリストのゲイル・キングさん、歌手のケイティ・ペリーさん、映画プロデューサーのケリアン・フリンさん、MCのローレン・サンチェスさんの6人だ。

　11分間の飛行のうち4分間が無重力状態となる高度100km超の宇宙空間にあり、宇宙から地上に送られた映像では、船内が宇宙体験の感動に湧く中、宇宙を初めて旅したベトナム系女性となったアマンダさんも感極まった様子でカメラを持ち、「シンチャオベトナム(Xin chao Viet Nam、『こんにちはベトナム』の意)」とベトナム語で地上に呼びかけた。

　その映像はSNSで瞬く間に拡散され、世界中のベトナム人に共有された。宇宙に「ベトナム」という言葉が響いたその瞬間は、民族の誇りを高める出来事と言える。

　アマンダさんは自身のSNSにも、帰還後に空を見上げ感動に叫ぶ写真を投稿した。現在7万件以上の「いいね！」を集め、世界中のベトナム人から感動のコメントが寄せられている。

　アマンダさんは今回の宇宙飛行で、ベトナム農業科学研究所傘下の花き・観賞植物研究開発センターから提供されたハスの種169粒を宇宙に持参した。この種は今後、宇宙が成長に与える影響について研究される。

　アマンダさんは1991年に米カリフォルニアで生まれた。ハーバード大学卒業後、米国航空宇宙局(NASA)でインターンとして働いたことがあり、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターでの勤務歴もある。2014年に性的暴力サバイバーの権利を保護することを目的とした非営利団体「RISE」を設立した。性暴力被害者のために闘ってきた実績が認められ、ノーベル平和賞にノミネートされ、米国のニュース雑誌「タイム(TIME)」の「今年の女性」に選ばれたこともある。

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