[社会]
「戦士ヘスマン」の作者、漫画家グエン・フン・ラン氏が死去
2025/05/13 04:01 JST更新
) (C)Dan Tri |
ベトナムを代表する漫画家で、「戦士ヘスマン(原題:Dung Si Hesman/英語名:Hero Hesman)」の作者として知られるグエン・フン・ラン氏が9日、ホーチミン市内の自宅で死去した。69歳だった。死因は現在調査中となっている。
ラン氏は1956年にホーチミン市で生まれた。漫画家になる以前は、サイゴン大学の理学部で1年間ほど学んだが、経済的理由で中退。その後、家族とともにビンバ農場(東南部地方バリア・ブンタウ省)に移住して働きながら学士号を取得した。
代表作「戦士ヘスマン」は、米国のロボットアニメ「ボルトロン(Voltron)」を原案としたSF漫画シリーズで、1992年~1997年に全160巻が刊行された。最終巻のみ2019年に刊行され、当時ファンが熱狂した。ヘスマンは「He is man」をもじってついたタイトルであり、人間の心を持ったロボットを意味している。同作品は、1980~90年代のベトナムの子どもたちの間で絶大な人気を博し、現在も多くの読者に愛され続けている。
また同氏は、「戦士ヘスマン」以外にも「ベトナムのスーパーマン(原題:Sieu nhan Viet Nam)」、「青い妖精(原題:Co tien xanh)」、「Xmen-ミステリアスな友人(原題:Xmen-Nhung nguoi ban bi an)」など、多くの漫画作品を世に送り出しており、総発行巻数は700巻を超える。
漫画家としての活動だけでなく、ラン氏はコンピューター普及期におけるベトナム語フォント「HL Comic」と「HL Thu Phap」をデザインしたことでも知られる。これらのフォントは現在も多くの印刷物やデザイン業界で使用されている。
同氏の訃報を受けて、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上では多くの読者から哀悼と感謝の言葉が寄せられており、「ヘスマンを読んで育った。子どもの頃の思い出そのもの」、「先生の作品は今でも私たちの心の中に生き続けている」など、コメント欄は同氏を偲ぶ声で溢れている。
[Dan Tri 11:28 10/05/2025 / Dan Viet 12:15 10/05/2025,U]
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