アジアベスト100入りのレストラン経営者を脱税で起訴 [社会]

　かつて、「アジアのベストレストラン」にも選出されたハノイ市の高級レストラン「トゥンダイニング(T.U.N.G dining)」の経営者が、脱税で起訴された。

　ハノイ市人民検察院の起訴状によると、同レストランを経営するトゥンダイニング・レストラン(Tung Dining Restaurant)は、2019年から2023年にかけて235億VND(約1億3400万円)超の売上を帳簿に記載せず隠していた。

　調べによると、この期間中の実際の売上は530億VND(約3億0300万円)超あったが、同社は約294億VND(約1億6800万円)分しか申告していなかった。差額分はインボイスを発行せず、ホアン・トゥン社長らの個人口座を利用して支払いを受け取るなどの形で処理していた。

　これにより、同社は、付加価値税(VAT)約21億VND(約1200万円)と個人所得税約3億3500万VND(約190万円)の計約24億VND(約1370万円)超を脱税した。事件は2024年3月にハノイ市税務局による調査で明らかになった。

　同社を率いる1992年生まれのトゥン氏は、ベトナムの飲食業界で注目される若手実業家で、2022年には経済誌フォーブス・ベトナム(Forbes Vietnam)がベトナムの各分野で活躍する30歳未満の重要人物を選出した「30歳未満(Under 30)」にも名を連ねていた。

　料理を学校で学んだことはなく、フィンランドで経営学を学び、留学中に厨房助手としてキャリアをスタートした。ヨーロッパのレストランで独学でスキルを磨き、2018年にオープンしたレストランは、ベトナムでいち早く高級コース料理モデルを展開した。

　この形式により、レストランは国内外の注目を集め、国際的な評価を得るようになった。2021年には、イタリアのサンペレグリノ(Sanpellegrino)とアクアパンナ(Acqua Panna)が冠スポンサーを務める「アジアのベスト50レストラン(Asia’s 50 Best Restaurants)」の51～100位のレストランリストで98位に選出された。

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