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[社会]

サイゴン動植物園でフラミンゴのヒナが初誕生、20年の工夫実る

2025/11/08 10:17 JST更新

(C) thanhnien
(C) thanhnien
 ホーチミン市サイゴン街区(旧1区)のサイゴン動植物園でこのほど、20年越しの期待の末、フラミンゴのヒナが初めて自然に孵化し、母鳥に育てられるという快挙が生まれた。

 同園では2006年以前に南アフリカの動物園からフラミンゴ9羽を輸入し、当初は園内の隅の狭い場所で飼育していた。

 習性上、フラミンゴは自然に近い環境と大きな群れの中で繁殖が促されるため、数が少ないと繁殖できない。そこで、2010年に園の中央部に移し、2017年にはオランダの動物園から21羽を輸入して、成鳥は合計30羽となった。園内のフラミンゴは、コフラミンゴとチリーフラミンゴの2種で構成されている。

 野生のフラミンゴは渡り鳥で、南アフリカやロシアの湿地帯や泥地に生息する。大きな群れで生活し、7月から8月にかけて繁殖期を迎える。動物園のような人工的な環境で繁殖させるのは非常に難しいとされているため、飼育員たちは自然に近い環境を再現し、繁殖を促すために様々な工夫をした。

 例えば、群れとしての心理的刺激を高めるために鏡を設置し、群れが多いと錯覚させて繁殖意欲を刺激した。また、スピーカーで求愛行動を模した鳴き声を流したり、理想的な営巣環境を整えたりした。

 さらに、繁殖期に重要となる鮮やかなピンク色の身体を維持するために、餌の面でもカロテンを豊富に含む藻類やアルテミア(ブラインシュリンプ)、オキアミ、すりおろしたニンジンを加えるなどした。給餌場所も雨季と乾季で変えて運動量を増やし、渡り鳥の習性を模した。

 結果、2025年の繁殖期には5つほどの巣が作られ、それぞれ1個の卵が産まれた。しかし、卵の温め方を知らない個体も多く、2個は人工孵化室に移された。最終的に卵4個は孵化せず、孵化したのは1個だけだった。

 現在、生後1か月のヒナは自然孵化で誕生した個体で、母鳥に育てられており、飼育員の介入も必要ない状況だという。海外から導入されて以来、約20年を経て初めて同園で誕生したフラミンゴとなり、同園のフラミンゴはこれで31羽になった。 

[Thanh Nien 15:24 04/11/2025, F]
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