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[特集]

いきすぎた冥器産業、形骸化著しく

2006/09/02 07:14 JST更新

 ベトナムでは、お盆やテト(旧正月)に日用品や紙幣を模した紙製の冥器を燃やし、亡くなった人があの世で不自由しないように捧げることが供養になると同時に、その行為により自分の罪も除かれ幸福になれると信じる風習がある。冥器産業は年を経るごとに成長し、以前は洋服、履物、ドル札などが主流だったが、現在では種類も非常に豊富になった。  今年も7月になってお盆シーズンが到来すると、世相を反映した新たな冥器が続々と登場している。例えば、最近一般に普及が著しい銀行のATMカードを模した冥器もよく売れており、売り子は「これさえあれば死者があの世で金に困ることはない。」と力説する。    さらに、ハイテク製品の冥器も充実しておりノート型PCやiPod、携帯電話など電気屋さながらの品揃えで、数千万ドン(約数十万円)するものもざらである。世の中が豊かになるに連れ、冥器の種類が多様化するのは必然とも言えるが、死者への供養の気持ちを伝えるはずの冥器の風習がいつのまにか冥器自体の価値を競うような形骸化したものになっていることは否定できない。 

[2006年8月19日、Nguoi lao dong 紙、電子版]
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