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[特集]

アメリカ人夫妻の開いた「愛のレストラン」

2007/09/23 08:25 JST更新

 アメリカ人のボブとキャロラインの夫妻は不幸な人々への想いをきっかけに出会い、ベトナムへ渡ることを決めた。2人は障害のある人、特に耳の聞こえない人に関心を寄せた。各地で慈善活動をして回った後、聴覚障害者のために就労機会をつくろうという結論に達する。その結果、2005年にレストラン「ブレッド・オブ・ライフ」(住所:125 Tran Phu, Da Nang City)が誕生した。地元の人たちはこの店を「愛のレストラン」と呼ぶ。  「いらっしゃいませ!」。店のドアを開けると、赤いユニフォームを着た店員たちがほほ笑みながら迎えてくれる。客からのオーダーを受けて、ウエートレスの女の子が調理場内に向かって、手話で一生懸命伝えている。中にはたくさんのコックたちがいる。調理する人、切る人、盛り付ける人といったようにそれぞれの分担が決まっていて、5分も経たないうちに皿の上には注文の料理が盛り付けられている。  レストランは松葉づえをついたホー・ティ・フオン・タオという女性が管理を任されている。ボブとキャロラインに出会ってから5年経った今、フオン・タオはこう語る。「私は小さいころから足が不自由で生活に困っていたから、2人と出会えて幸運でした」。今では月収も100万ドン(約7100円)を超え、自活はもちろん家族にも仕送りできているという。  レストランのスタッフはほとんどが聴覚に障害を持っている。コミュニケーションをとるのが難しいため、最初は手話を学ぶことから始める。仕事は調理場内の補助的な作業から始まるが、能力さえあればいずれはコック長になれる可能性もある。  幼いころに母をなくし父に捨てられたグエン・バン・フアンは、祖母と共に暮らしていたが、2人の幼い兄弟を養わないといけなかったため、生活はとても苦しかった。ボブとキャロラインに出会ってレストランで働くことを勧められた。コックを務める今では、90万ドン(約6400円)の月収を得ている。この店で働くスタッフたちは皆それぞれの困難を抱えているが、自らの労働でそれを乗り越えようとしている。  

[2007年9月11日 Nguoi Lao Dong紙 電子版]
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