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[特集]

プラハのベトナムレストラン 主人の「味」が人気

2007/10/14 08:43 JST更新

 小さいけれどもとても人気のレストラン「マリーブッダ」は、チェコの首都プラハ市にある。その魅力は、ベトナム料理もさることながらご主人の人としての「味」にもあるようだ。店に一歩足を踏み入れると、東洋の香りが感じられ、主人の描いた多くのスケッチ画などが飾られている。この店の主人、クリスチャン・グエンさんは1981年にハノイ美術大学を卒業し、実習生としてチェコに来た。店を開く前までは、画家とインテリアデザインの仕事をしていたという。「初めはレストランを開くなどとはまったく考えていなかった。もともと料理は好きで、友人が店をやってみたらというので、軽い気持ちで開いたんだ。今では一年中お客さんでいっぱいだよ」  この店のベトナム料理はベトナムそのままの味というわけではない。ヨーロッパの人の味覚に合わせてあるからだ。そのためか主な客は現地の人と観光客で、俳優のショーン・コネリーや有名歌手などの芸能人のほか、チェコの大統領など大物も訪れるという。店の魅力は料理だけではない。人々はこの場の雰囲気も楽しみに来る。「この店を設計するにあたっては風水をとりいれた。つまりどこに何を飾るか、椅子の大きさや置き場所や数など、すべて自然の摂理に従っている。これはきわめて重要で、だからこそここへ来ると完全にリラックスできるんだ」とグエンさん。  また、グエンさんの人柄もお客をリラックスさせるようだ。坊主頭で武道家のような風貌をしているがいつも穏やかで、満ち足りた表情をしている。45歳を過ぎているのに人からはいつも10歳以上若く見られる。彼は現地では有名で、テレビ局に招かれて料理の指導をしたことや、現地の雑誌の表紙を飾ったこともある。  「どんな仕事においても『道』というものがある。それは日本の茶道のように様式に縛られるものではなく、時代につれて変わっていくものだ。それを見つけることができた人は、自分自身の成功のカギを探し当てたことになる。つまり、人生の幸せをつかむことができるんだ」。彼はすべての人へのメッセージとしてこう語った。  

[2007年9月8日 Tuoi Tre紙 電子版]
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