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ベトナム系アメリカ人ブリジット・レーは米国バージニア州にある「ブリジットギャラリー」のオーナーだ。レーはワシントンDCにもギャラリーを持っている。店内は素朴な陶磁器、ベトナムの田舎の風景画、アオザイなどベトナム色あふれる製品であふれかえっている。その中で最も印象的なのは、至る所に置かれている羽を生やした金色の素焼きのブタ人形「フライングピッグ」だ。レー自身がデザインし、ベトナムで作られた。 それぞれのブタ人形には、「Yes, we can」の言葉とともにバラク・オバマ米大統領の写真が添えられている。「オバマ氏が大統領に当選した時、このギャラリーでブタ人形が飛ぶように売れました。アメリカにもこの種の製品は以前からありましたが、あまりかわいくなかったから売れなかった。だから私がデザインし直して売り出したの」とレーは語る。 レーはブタ人形に「ブタが飛ぶとき、どんなに実現困難でもあなたの夢を思い出して!」というメッセージをつけて売り出した。何日も考えた末にこのメッセージを商品コピーにしようと思いついたという。「こんなに太って重いブタでも空を飛べるのなら、自分も驚くようなことができるかもしれない」。そんな思いを、自分も含めたすべての人に贈りたいと願いを込めた。 レーは1975年、13歳の時に渡米。メリーランド大学工学部を卒業した後、IBMで13年間働いた。2001年にベトナムに初めて里帰りし1カ月ほど滞在した際、多様で特色のあるベトナム文化を米国の友人たちに紹介したいという気持ちがわき起こったという。元々アートが好きだったので、2002年に仕事を辞めてギャラリーをオープンすることを決めた。「周囲の人は私がおかしくなったと思ったみたい。でも、私は自分のやるべきことがわかっていました」。 それからの7年間、ときには家族のことも忘れてギャラリーのために働いてきた。衣服や陶磁器のデザインをベトナムに送って生産させ、ベトナムにたびたび渡ってはベトナムの若手画家の作品を購入してアメリカで紹介した。2007年には「21世紀のベトナム美術」をテーマに展覧会も開催した。 レーは最後にこう語った。「すべての米国の人々に伝えたいの。ベトナムといえば戦争をすぐに思い出すのではなく、現在のベトナムに、若い世代が芸術をはじめさまざまな分野で活躍している今のベトナムに思いをはせてほしい。ベトナムと米国の間に芸術と文化で橋をかけましょうと」。
[Tuoi tre online, 09/05/2009, 03:40 (GMT+7)]
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