VIETJO - ベトナムニュース 印刷する | ウィンドウを閉じる
[特集]

「眠らない男」、記録を38年間に更新中

2011/04/17 08:12 JST更新

(C) Thanh Nien, V.P.T
(C) Thanh Nien, V.P.T
 「眠らない男」として知られ、過去に32年間も眠っていないと報道されたことのある南中部クアンナム省ホンソン郡クエチュン村在住のターイ・ゴクさんは今も元気で、不眠記録を38年間に延ばし、更新し続けている。  ゴクさんの話によると、1973年に一度高熱を出して意識不明に陥り、その後回復してから一度も眠ったことがないという。当初は心配して医者に通い漢方薬から睡眠薬まで飲んでみたし、誰かがこうすればいいと言えばそれを試してみたが、どれも効果がなかった。ただ、眠らなくても健康に問題はなく、意識もはっきりしており、普通に生活できる。70歳近くになった今も、畑仕事や家禽の世話などを普通にこなしている。  この話が報道されてから、新たな訪問客が増えた。報道から間もないある日、外国人5人のグループがゴクさんに会いに来た。タイのテレビクルーで、1週間滞在してゴクさんの生活をドキュメント番組にしたいという話だった。  彼らはゴクさんの記憶能力を検査し、問題がないことを確かめてから撮影を開始した。家の中や周囲に10台ものカメラを設置し、モニターでゴクさんの行動を24時間体制で監視した。ゴクさんにとってこの珍しい客人は迷惑ではなく、一緒に徹夜してくれる人がいることでかえってうれしい気持ちになったという。

 撮影を終えたテレビクルーは帰国する前に、すべての費用を負担するからタイの病院で治療してはどうかと申し出た。ゴクさんは「この生活にすっかり慣れているし、寝ない間にできることもある。妻を一人残して行く訳にもいかない」と断った。  その後、英国やオーストラリアのテレビクルーも同様の撮影を行った。オーストラリアのクルーは、今後他社の取材を一切断ることを条件に3000万ドン(約12万円)を支払うと提案した。貧しい農家にとっては大金で、その金があれば今のあばら家をれんが作りの家に建て替えることもできる。ゴクさんはしばらくそう考えたが、やはり断ることにした。「人と話すのが好きだし自由でいたい。遠方からわざわざ取材に来た人を、追い返す訳にもいかないでしょう。そんなことをしたら気分が悪いし、彼らがかわいそうだ」とゴクさん。その時のことを思い出した妻のバイさんは、少しだけ残念そうな表情を見せた。  ゴクさんのもとには、その後も国内外のマスコミからの取材が相次いでいる。ゴクさんは、自分のことが報じられた記事や番組を自分では見ずに、隣人らから聞かされて知るだけだ。ゴクさんは最後に、「年齢のせいか薬のせいか分からないが、2か月ほど前からお酒を飲んだ後、30分ほど居眠りすることができるようになった」と自慢するように披露した。38年間も眠れない男にとってはそれだけで十分らしい。  

[Thanh nien online, 05/04/2011 23:58]
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved.


このサイトにおける情報やその他のデータは、あくまでも利用者の私的利用のみのために提供されているものであって、取引など商用目的のために提供されているものではありません。弊サイトは、こうした情報やデータの誤謬や遅延、或いは、こうした情報やデータに依拠してなされた如何なる行為についても、何らの責任も負うものではありません。

印刷する | ウィンドウを閉じる