VIETJO - ベトナムニュース 印刷する | ウィンドウを閉じる
[特集]

サイゴンコープ女会長、弛まぬ向上心が大切

2011/09/11 06:47 JST更新

(C) Dien dan doanh nghiep
(C) Dien dan doanh nghiep
 サイゴンコープにこの人あり、という女性がいる。サイゴンコープ投資開発株式会社(SCID)会長のグエン・ティ・ギア女史だ。60代になった今も、その名を轟かす彼女にインタビューを行った。 ―国が市場経済に変わり始めた時、多くの国営企業が衰退していきました。サイゴンコープは、その中でも継続し今日に至るまで発展し続けている稀な例と言えるかと思いますが。  サイゴンコープは誕生当時、非常にその時代の要求にかなっていました。その時点で既に国営企業は落ち込み始めていたので矛盾しているようですが、まさにドイモイ政策こそがサイゴンコープの基盤と発展の条件を与えてくれたと言えます。ドイモイ政策は競争を激しくしたものの、一方で私たちを奮い立たせました。 ―変わりゆく社会の中で生き残っていくためには、自らの変革も必要だったかと思いますが、そのモデルを築いていく中で助けとなったものがありますか。  国営企業に社会的な意義を見いだした運動家の「全ての人が全ての人のために」という言葉です。国内の国営企業が衰退し、それまで模範としていた東欧諸国の国営企業まで次々とだめになっていったときには、とても動揺しました。ちょうどその頃、国際国営企業連盟の代表がベトナムを訪れ、日本や米国、西欧の国々で成功している事例を教えてくれました。実際に現地を訪れ、それらを模範にしつつ作り上げていったのです。

―1995年には記念すべきサイゴンコープ1号店がオープンしました。それまでの道のりは長いものでしたか。  オープンに先立ち東南アジア各国のスーパーを見て回り、社員を連れて研修に行きました。1995年には、まだ自信はありませんでしたが開店を決心しました。初めは米国スーパーのフランチャイズとして始めるつもりでしたが、許可が下りなかったため、独自でやることになりました。試験的に始めた店舗は面積800平方メートル程。開店してみると店はお客さんであふれるようになり、私たちは次第に自信をつけて2店舗目、3店舗目と展開し始めました。 ―現在サイゴンコープは、国内に多くのスーパーを展開しています。今何か困難に感じていることがありますか。  依然として困難もありますが、だいぶ楽にはなってきました。当初は試行錯誤の中経営していたので、それぞれの店舗のやり方もまちまちでした。そんな中スウェーデンの国営企業連盟の助言のおかげで、コープマートの理念を確立することができました。組織管理や経営についてのマニュアルをつくり、全ての活動がマニュアル通りに行われるようになりました。 ―ライバル店と比較して、コープマートが異なる点はどこでしょう。  コープマートは顧客のニーズに応えられる広いネットワークを持っています。また親しみやすさを出すのが私たちのやり方です。高水準で現代的でありながら、伝統的な市場の方式も取り入れ、低所得層から高所得層にまで満足して頂けるようにしています。商品は常に入れ替え、活気のある雰囲気づくりに努めることも大事です。ベトナム人はにぎやかなのを好みますからね。

―小売市場への外資参入が解放された現在の市場において、脅威と感じるライバル店はありますか。  やはりメトロ、ウォルマート、テスコ、カルフールのような世界的企業でしょうか。現時点でメトロ以外は、まだベトナムに進出していませんが、いずれ進出してくると思います。これら外国勢力の圧力は私たちに設備改善、商品の品質向上、広告やプロモーションなど様々な変革を迫るでしょう。特に顧客のニーズと速度への要求に応える管理体制の向上が大事になってくると思います。 ―サイゴンコープの社員は女性が強いようですね。  今はだいぶバランスがとれてきていますよ。以前はホーチミン市内にしか店舗がなく、店長もほとんどが女性でした。家庭の日用品を販売するわけですから、彼女達の趣向を参考にしようと思ったのです。一方で地方では男性を店長にするようにして、今では「男女平等」の状態になっています。 ―ご自身の今後の計画について、お聞かせください。  私は既にサイゴンコープ社長の座を退きましたが、サイゴンコープ投資開発株式会社の会長は続けています。サイゴンコープに関しては若い社員たちが担っていく力をつけています。私は引退して、社会的活動にだけ参加しようと考えていましたが、社員達が出資して作った会社の管理に携わってほしいと言われていますので、しばらくは現場に残るつもりです。 

[Theo DNSG Online DDDG 10/12/2010 - 14:39U]
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved.


このサイトにおける情報やその他のデータは、あくまでも利用者の私的利用のみのために提供されているものであって、取引など商用目的のために提供されているものではありません。弊サイトは、こうした情報やデータの誤謬や遅延、或いは、こうした情報やデータに依拠してなされた如何なる行為についても、何らの責任も負うものではありません。

印刷する | ウィンドウを閉じる