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[特集]

自腹で無縁遺骨を収集し墓地で供養する「変人」

2011/09/18 08:16 JST更新

(C) Dat viet
(C) Dat viet
 紅河デルタ地方ナムディン省チュックニン郡チュックフン村在住のラム・バン・トゥエンさんの一家は、この地域では裕福な家族として知られているが、トゥエンさんは村中の人から「変人」とみられている。自腹を切って身元の分からない人の遺骨を探し、無縁墓地を建設するという行動は確かに奇妙に見えるに違いない。  トゥエンさんは子供の多い農家に生まれたが、両親を早くに亡くしたため、兄弟たちと共に懸命に働いた。やがて妻と子を持つようになると、農業だけでは食べていくのが難しいと考えた。同じ郡内の漁民が漁船で使う籠や帆網などの漁具を安くない金額で購入している事を知った彼は、自分だったらもっと安く作る事ができると思い事業を興した。  この事業は成功し、数十年を経て今やトゥエンさんは大金持ちとなった。老年を前にして彼は、若い頃に思い付いた考えを実現しようと考えた。農地に鍬を入れて耕している時、木の棺桶の破片や遺骨を掘り当てる事が良くあった。こうした無縁遺骨を集めてきちんと供養したいと思ったが、当時はお金も時間もなかった。  経済的にも時間にも余裕ができたおよそ4年前、トゥエンさんは自分の思いを実現するため、村の人民委員会に墓地用の土地を貰い受ける申請書を提出した。当初は、土地を占有する気ではないかと疑う人が多かったが、トゥエンさんは気にかけず人を雇って無縁遺骨を掘り起こして集め始めた。村から許可が出ると、彼はさっそく墓地の建設に着手する。

 トゥエンさんが黙々と墓地の整備を進めるのを見て、疑いはやがて賞賛に変わっていった。チュックフン村やその周辺の住人は、無縁遺骨発見の情報を得ると、すぐに彼に知らせるようになった。こうして徐々に数が増え、4年が経った今では無縁墓地の墓は1500基以上になってほぼ満杯状態となり、別の場所を探す必要が出てきている。  無縁墓地を訪れる人も多くなり、自分の親族と分かったから引き取りたいという申し出や、彼の仕事を支援しようと援助の申し出をする人もいる。しかしトゥエンさんは頑としてこれを拒否している。墓地を作り始めた時に決めた、一度ここに埋葬したら他に移さないという原則を大事にしたいからだ。  トゥエンさんにとって無縁墓地を作ってさまよう魂が落ち着く手助けをする事は、喜びなのだという。また、自分では前世の借りを返しているだけで、特別な事をしているとは思わないと話す。彼は無縁墓を探しに出かける日以外は、今も毎日墓地を訪れて線香を手向けている。  

[Dat Viet online, 10:07 AM, 09/09/2011, O]
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