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[特集]

史上最強のキャディー、彼女は誰よりゴルフを知っている

2012/03/11 08:07 JST更新

(C) Tuoitre, VŨ THỦY
(C) Tuoitre, VŨ THỦY
 グエン・ティ・ゴック・ズンは恐らくベトナムで最もゴルフを熟知したキャディーだ。他のキャディー同様、真っ黒に日焼けしているが、それは仕事だけのせいではなく、他の誰よりゴルフの練習に打ち込んできたためだ。美しいスイングでクラブを振る彼女はベトナム女子ゴルフの王者でもある。  今から16年前、田舎の少女だったズンは家計を助けるため、ソンベ・ゴルフクラブでキャディーの仕事を始めた。「当時の生活は苦しくて、幸せというのは、夢の中の話でした。これからも決して叶うことはないものだと思っていました」当時を回想して彼女は語った。今や彼女は、ソンベ・ゴルフクラブとオーシャン・デューンズゴルフクラブの会員であり、女子ゴルフの王者として国内ゴルファーから追われる立場にある。  キャディーの仕事を始めたのが1994年。緑に囲まれたゴルフ場では、空や風、太陽、雨、自然の息吹が感じられた。彼方に消えてゆく白球を眼で追っている内に、ゴルフの魅力に魅せられていった。当時ソンベ・ゴルフクラブでは毎週月曜日、スタッフ向けにゴルフ場を解放していた。ズンは毎週月曜になると、ゴルフの練習に明け暮れた。客についてラウンドするときは、客のスイングを観察し、どうやったら遠くに飛ばせるのか研究した。美しいスイングをする彼女の姿は会長の目にも留まり、練習に励むよう勧められた。

 数年後には、ズンのプレーは目に見えて上達していた。ちょうどその頃、第20回東南アジア競技大会(シーゲーム)の選手選考があり、彼女は一縷の望みを託して応募した。日々の仕事の傍ら、必死で練習して選考会に挑んだ。ソンベ・ゴルフクラブ以外でプレーするのも初めての経験で、それだけでも胸が躍ったという。彼女は見事、1位の成績で大会出場資格を得た。「その時のことは一生忘れられません。それまで生きてきた中で一番幸せな瞬間でした」当時を振り返って彼女はそう語った。  大会後、キャディーの仕事に戻ってからも一層練習に励んだ。ゴルフコンペに参加するため、英語も習い始めた。こうしてキャディーとゴルファーという二足のわらじを履いた生活が始まった。そして、2008年、彼女は遂に女子ゴルフの全国王者に上り詰めた。  彼女ほどキャディーの仕事の大変さを知っている者はいない。ゴルファーとして成功した今もなお、キャディーを続けているのは何故なのか。それは他のキャディー達と辛さを分かち合い、この仕事に携わる全ての人にゴルフを好きになってもらいたいからだという。「私の人生はゴルフそのものです。今の幸せの全ては、大好きなゴルフがもたらしてくれたものなのです」 

[VŨ THỦY - TÂM LỤA Tuoitre 08:48 (GMT+7)U]
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