VIETJO - ベトナムニュース 印刷する | ウィンドウを閉じる
[特集]

幻の漢方精力剤「ミンマンタン」の謎は解けたか?

2012/04/29 08:34 JST更新

(C)Thanh nien、明命帝とされる肖像画
(C)Thanh nien、明命帝とされる肖像画
 「ミンマンタン(明命湯)」はベトナムの薬用酒として、10年以上前から市販されている。名前の由来は、グエン(阮)朝の第2代皇帝(在位:1820~1841年)のミンマン(明命)帝で、多くの側室と子供を持ったことで知られる。そのため、史実に登場する「ミンマンタン」は強力な漢方精力剤と伝えられており、その処方は長年の謎とされている。  ミンマン帝は1791年に初代皇帝であるザーロン(嘉隆)帝の第4子として生を受け、1820年に皇帝に即位した。この皇帝がどんな容姿の持ち主だったかは、正式な資料としては何も残されていないが、「頭がよく学問好きで、乗馬と弓矢を得意とした。非常に勤勉で、朝早くから夜遅くまで仕事に励んだ」とされる。  グエン・ベト・ケー編著『グエン朝皇帝の生涯』(ダナン出版社、1996年)によると、ミンマン帝は毎晩5人の妻と交わったとされる。グエン朝の13人の皇帝の中で最も多い43人の側室を持ち、142人の子を設けたという。

 この異常とも言えるほどの精力振りは、皇帝の御医らが特別な精力剤を処方したためと信じられている。これが「ミンマンタン」と呼ばれる精力剤で、その処方には20種類あるとも24種類あるとも言われている。このうち最も有名なのは「一夜六交生五子」「一夜五交生四子」という2種類の処方だという。意味は読んで字の如し。  多くの人は、「ミンマンタン」はバイアグラの一種だったと考えている。全国の漢方薬店が独自の処方で薬用酒「ミンマンタン」を作っているが、トゥアティエン・フエ医薬品社の生産しているものが最も有名なようだ。  「ミンマンタン」の処方はグエン朝廷の最高機密だったため門外不出だったが、御医と通じた朝廷内の高官によって外に持ち出され、一部の家族に伝えられたとみられている。その後雑誌や本で広く紹介されるようになった。  ところが、「ミンマンタン」の17種類の処方を集めたという漢方医ティック・トゥエ・タム氏は「薬効に通常の漢方薬との違いはほとんどない。バイアグラとはまったく異なるもの。市販の薬用酒に何らかの効果を期待してはいけない」と釘を刺した。かくして「ミンマンタン」の謎は今も残されたままとなっている。  

[Thanh nien online,21/03/2012 9:01,O]
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved.


このサイトにおける情報やその他のデータは、あくまでも利用者の私的利用のみのために提供されているものであって、取引など商用目的のために提供されているものではありません。弊サイトは、こうした情報やデータの誤謬や遅延、或いは、こうした情報やデータに依拠してなされた如何なる行為についても、何らの責任も負うものではありません。

印刷する | ウィンドウを閉じる