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[特集]

金のかからない自然の妙薬? 飲尿で病気を治療する村

2013/01/13 08:11 JST更新

(C)Bao Dat Viet, 飲尿を続けるボンさん
(C)Bao Dat Viet, 飲尿を続けるボンさん
(C)Bao Dat Viet, 44歳のころのボンさん(中央)
(C)Bao Dat Viet, 44歳のころのボンさん(中央)
(C)Bao Dat Viet, 使わなくなった薬
(C)Bao Dat Viet, 使わなくなった薬
 紅河デルタ地方ナムディン省ザオトゥイ地域に、病気治療のために飲尿する習慣のある村があるという。以前、中国に自分の尿をビールのように飲む地域があるという話を聞いたときには、世界には不思議な習慣があるものだと思ったが、ベトナムにもそんな村があるとは信じられなかった。  「ある地区では病気を治すのに飲尿が良いという言い伝えがあり、本当に皆飲尿している」と語るザオタン村診療所のブー・ボン・ヒエウさん。そして、ガン治療のために現在飲尿しているというボンさんという女性の住所を教えてくれた。  ボンさんの家を訪ねると、痩せた女性が「ここ半年ほど、毎日のように飲尿について聞かせてほしいという人が来ますよ」と出迎えてくれた。彼女がボンさんだ。本当に飲尿しているのかこの目で確かめに来たと言うと、ボンさんは「本当です。恥ずかしいことでも何でもないですよ。もう1年以上飲尿を続けて、おかげで生きながらえています。お昼までここにいるなら、飲むところをお見せ出来ますよ」と微笑んだ。自分の尿を飲むのはどのような感覚なのか。彼女は「特に怖いこともないし、慣れると手放せなくなるところがアルコール中毒みたい」と言った。  彼女が飲尿を始めたのは、ガンになったのがきっかけだ。彼女は16歳という若さで結婚し、畑仕事に明け暮れた。子だくさんで、5人の子どもと大勢の孫に恵まれた。だが、2009年頃、乳房にできたしこりが大きくなっていくのに気づく。とうとう鶏卵ほどの大きさになり、痛みに耐えられなくなった彼女はようやく病院へ行き、ガンだとわかった。夫は妻の病気を治そうと奔走し、手術は成功したが、げっそり痩せ、髪は抜け落ちた。2か月間入院し、退院した頃には財産をほぼ使い果たしていた。

 退院後は1日中ベッドに寝たきりで、風が吹いただけでも身体が痛むような状態で、誰もがもう先が長くないだろうと思っていた。しかし暫くすると、薬が効きはじめたのか、理由はよくわからないが、彼女は徐々に元気を取り戻していった。それからはまた病気の治療に万策を尽くす日々。北から南まで漢方医を訪ね歩いたという。  そこまで話すと彼女は立ちあがり、彼女が飲むのをやめてしまった膨大な薬の束を見せてくれた。その中には詐欺で有名な医者の薬もあった。村の人と連れ立って心霊療法を受けに行ったこともあるという。だが、一緒に行った知人がほどなくして亡くなったのを機に、そうした療法を信じるのをやめたのだという。  その後また彼女の症状は悪化し、ベッドに寝たきりになった。いつお迎えが来てもおかしくない状況で、家族はまた、もしもの事態に備えるようになった。しかしまたしても、彼女は死を免れる。「私の守護神が、最高の妙薬を与えてくれたのです。既成品でもなく、お金もかからない、命の水を・・・」  調べてみると、海外には飲尿を健康法のひとつとして行っている人たちは確かにいるようだ。しかし、医学的な根拠はあきらかにされておらず、ボンさんが回復したことと飲尿の因果関係もわかっていない。 

[Bao Dat Viet, 07/01/2013, 12:57, S]
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