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[特集]

世界長者番付に初登載、ビングループのブオン会長

2013/03/17 07:36 JST更新

(C)Tien phong
(C)Tien phong
 米経済誌フォーブスがこのほど発表した2013年版世界長者番付に、ビングループ[VIC]のファム・ニャット・ブオン会長(45歳)がベトナム人として初めて登場した。番付には10億ドル(約962億円)以上の個人資産を持つ富豪1426人が掲載されており、ブオン氏は資産15億ドル(約1440億円)で974位だった。ブオン氏の今日までの成功への足跡をたどる。  ブオン氏は1968年にハノイ市で生まれた。父親は空軍の兵士で、母親は小さな茶店を開いていた。南北統一後に経済情勢が悪化する中で、一家は茶店のわずかな収入だけが頼りだった。ブオン氏は「早く稼げるようになって家族を助けたい」とばかり思ったという。  ブオン氏は数学の才能を生かして、モスクワ地質学院開発経済学科での奨学金を取得して留学、1993年に卒業した。当時はソ連が崩壊したばかりの大変な時代だったが、大きなチャンスでもあった。  彼は学生時代の恋人と結婚し、知り合いらから調達した1万ドル(約96万2000円)を元手にウクライナでベトナムレストランを開いた。また、ベトナムから製麺機を輸入しインスタントラーメンを生産すると、地元の人々の大評判を呼んだ。彼の会社テクノコムは、ウクライナのインスタント食品加工分野でトップ企業となり、毎年約1億5000万ドル(約144億円)を売り上げるようになった。

 2000年代に入ると、ブオン氏は祖国の発展のためにベトナムへの投資を開始する。南中部カインホア省ニャチャン湾の島を高級リゾートに変貌させるというアイデアに沿って、まず「ビンパールリゾート・ニャチャン」が誕生した。1年後にはハノイ市で、複合ビル「ビンコムシティタワー」をオープンさせた。  観光開発のビンパールと不動産事業のビンコム不動産は、それぞれ発展を続けていたが、ブオン氏は2011年に両社を統合してビングループを設立することを決めた。ウクライナのテクノコムは2009年にネスレに売却している。  ブオン氏は、自社の事業が国土建設に貢献することを常に念頭においている。ハノイ市やホーチミン市の街並みが、香港やシンガポールのようになることを夢見ている。「それを実現できるとすれば、たとえ巨額の投資をしなければならないとしても、幸福を感じるだろう。次の世代のために何かを残したいと思う。あの世にはお金を持っていけないのだから」  

[Tien phong online,06:52 | 06/03/2013,O]
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