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[特集]

米宇宙センター研修にベトナム女性教師が参加 「生徒に感動を伝えたい」

2013/08/11 08:02 JST更新

(C)Nguoi Lao Dong, 研修に参加したグエン・ティ・フオン・ザンさん(右から2番目)
(C)Nguoi Lao Dong, 研修に参加したグエン・ティ・フオン・ザンさん(右から2番目)
 「まるでゲームのようでもあり、とんでもない挑戦でもありました」と、宇宙センターでの研修から戻ったグエン・ティ・フオン・ザンさんは語った。



 奨学金に関する情報をインターネットで検索していた時のこと、彼女は偶然、教員を対象とした宇宙センター研修への参加者募集の告知を見つけた。フーイエン省の専門学校で教鞭を執る彼女は早速書類を提出、面接を受けて合格し、ベトナム教員として初めて米ハネウェル社の宇宙センターに足を踏み入れることになった。



 この研修には米国内及び27か国からあつまった210人の教員たちが参加した。ここで過ごした時間は、彼女のこれまでの人生の中で最も興味深い経験となったという。



 研修員たちは45時間のカリキュラムを通じて、◇高機能エンジン飛行シミュレーション、◇仮想宇宙任務シミュレーション、◇地上及び水中での生存訓練、◇相対論的力学の4つの分野について学ぶ。どの分野でも理論と実践を学ぶが、メインは実践だ。「自分たちでロケットを組み立てて発射台に載せ、ロケットが風を切って飛ぶのを見た時、年長の研修員も子どものように歓声を上げていました」と彼女は言う。

 理論上は理解していても、実際にやるとなるとそう簡単ではない。宇宙シミュレーションプログラムで彼女の所属する8人のチームに与えられた任務は「無重力空間におけるスペースキャンプ作り」だった。ほんの数歩先に資材を運ぶだけでも思うように動けず、体が逆さまになってしまう。運ぶ作業だけでヘトヘトになり、全てを組み立て終わるまでに相当の時間を要したという。



 また、生存訓練では、ロケットのシミュレーターに入って飛行中に突然落下したり、無重力空間でプロペラのように回転する体験もした。彼女は、「訓練が終わった時には皆、顔から血の気が引いていました」と訓練と言えども本番さながらの体験を振り返った。



 出来るとは思っていなかったことが、意外と簡単に出来たと感じたことも多かったという。彼女のチームのミッションは、高温環境の中で宇宙飛行士の生命を守ることだった。8000度にもなる熱源のそばに、宇宙飛行士に見立てた卵を置く。簡単な設備を使ってその卵を保護しなければならない。米国の現役宇宙飛行士も加わった専門家たちの指導のもと、彼女たちはアルミシートと木材を使って、安全に卵を保護する器具を作り上げた。



 現在の彼女の心配ごとは、感性が「麻痺」してしまっているかのような科学科の学生たちのこと。どうすれば彼らの関心を鼓舞することができるのか、彼女は考え続けている。そしてまた、これはハネウェル社の考えていることにも共通する。「教師たちに感動を伝えて欲しい」。ハネウェル社はその思いの一つとして、この実習を開催している。 

[Nguoi Lao Dong, 13/07/2013 22:56 S]
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