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[特集]

2.1キロの金塊発掘の男性、思わぬ結末に溜め息

2013/12/22 07:37 JST更新

(C)Tien phong、ロ・バン・オイさん
(C)Tien phong、ロ・バン・オイさん
 北中部ゲアン省トゥオンズオン郡イエンホア村に住むロ・バン・オイさんは、2009年に2.1キロの金塊を発掘した男性として突然有名になり、地元では今でも「大金持ち」と思われている。ところがご本人のオイさんは、この騒動の結末に深い溜め息をつくばかりだ。  まず事実認定に誤解があるという。多くの人はオイさんが1人で発掘したと思っているが、実際は8人の仲間と一緒だった。金塊の売却代金は10億ドン(約495万円)余りで、これを13等分して分け合った。仲間の8人は13分の1を、発見者であるオイさんは13分の5、つまり約4億ドン(約198万円)を受け取った。  それまでオイさんの家族は貧しく、粗末な家で暮らしていた。突然の大金に大喜びし、数匹のブタをしめて近所の人達に大盤振る舞いした。次に、長年の夢だった堅固な家に建て替えた。これで2億ドン(約99万円)が消えた。町に出てテレビや冷蔵庫、家具などを買い込んだ後、家族で車を借りビン市やクアロー海岸に遊びに行き、贅沢な時間を過ごした。2010年の旧正月(テト)を派手にお祝いし、親戚に新しい衣服などをプレゼントした。  オイさんは、最初の喜びはあっという間に消えてなくなったと話す。金持ちとして有名になったため、物を買う時はどこに行ってもふっかけられ、遠くから見知らぬ人が訪ねて来て施しを求められた。はじめのうちは現金をあげていたが、その噂が広まったのか大勢が押しかけて大変なことになったという。

 この騒動がひとまず落ち着いた後、オイさんは残っていた約1億ドン(約49万5000円)を投じて掘削機などを購入した。再び金塊を掘り当てるつもりだった。しかし2度目の幸運はなく、生活が一気に苦しくなっていった。金塊を発掘した後、オイさんの家族はそれまで受け取っていた貧困世帯への補助金を止められた。今年は年収が100万ドン(約4950円)にも届かないため、村に何度か補助金の復活を申請したが却下され続けている。  掘削機が故障した2年ほど前から、オイさんは金の採掘をあきらめ、夫婦で畑仕事をしている。畑まで遠いため、子供2人を祖母の家に預けて週末だけ家に帰る生活だ。オイさんの妻イエンさんは「今の生活は貧しいけれど、人から施しを求められたり、やっかみから家にいたずらされたりするよりよっぽどマシです。他の人と同じように静かに暮らしたいだけです」と語る。  しかしこのささやかな希望も、農産物の不作でかなえられそうもなく、建て替えたばかりの家を売ることを考えているという。「金塊を発掘しなかったほうが幸せだったかも」と言うのがオイさんの今の正直な気持ちだ。  

[Tien phong online,13:43 | 11/12/2013,O]
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