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[特集]

テトのホーチミン、路上に広がる「葉っぱ市場」

2017/01/29 05:04 JST更新

(C) vnexpress
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 テト(旧正月)の時期になると、ホーチミン市タンビン区カックマンタンタム通りのオンタ三叉路の路上一帯には、半世紀以上の歴史を有する「葉っぱ市場」が出現する。正式な「市場」ではないものの、テトに欠かせない「バインチュン(Banh chung、ちまき)」作りに使うための葉っぱを求めて、朝から晩まで多くの人々で賑わう。  この市場で商売をしている人によると、市場は旧暦12月20日頃から30日頃まで開かれ、ファムバンハイ通りからカックマンタンタム通りまでの路上一帯およそ500mにわたり、多くの店が立ち並ぶ。また、葉っぱを売る人々は、同時にバインチュン作りに使う四角い型なども売っている。  市場が最も賑わうのは夜か、テト1週間前の旧暦12月23日にあたり「オンタオの日(Ngay ong Tao)」「オンコン・オンタオの日(Ngay ong Cong ong Tao)」などと呼ばれる「かまど(台所)の神様の日(吐君節)」の後だという。  1区在住のゴ・ティ・ホアさん(女性・52歳)は、毎年この市場で23年間にわたり商売をしている。「かつては私の両親がここで葉っぱを売っていました。この市場は北部からホーチミンに移住してきた人が形成したもので、少なくとも半世紀の歴史を有しています。もっと昔は、ここに北部出身者向けの商品を扱う市場があったんですよ」とホアさんは説明してくれた。

 20時頃になると、商品となるたくさんの葉っぱを積んだ車がやってくる。商品のほとんどは東南部地方ドンナイ省のザーキエム地域から仕入れている。「数年前はホーチミン市ホックモン郡バーディエム地域の葉っぱを仕入れていましたが、サイズも小さく、バインチュン作りにも適していないので、今はもう少なくなってしまいました」と、1区在住のレ・クアン・ミンさん(男性・53歳)が教えてくれた。  商品の積み下ろしが終わると、路上一帯が葉っぱで山積みになる。更に商人らはここで葉っぱを仕入れて、夜のうちに市内の各市場に卸すのだ。積み下ろしや輸送の仕事は、半月でおよそ400万~500万VND(約2万~2万5000円)にもなるという。しかし、50kgほどもある葉っぱを輸送しなければならず、重労働だ。  葉っぱを求めてやってきた女性は、「新鮮できれいな葉っぱを手にいれるため、夜になってから来ました。家でのバインチュン作り用と、勤務先の学校で開くバインチュン作り大会用に、1000枚買うつもりです」と教えてくれた。  葉っぱはサイズによって分けられ、1束50枚あたり2万~8万VND(約100~400円)で販売される。ここで5年間にわたり商売をしている男性は、「この仕事は大忙しで、大人数でやってもなかなか追いつきません。売る側が一番恐れるのは、葉っぱがしおれてしまう日差しの強い日なんです」と語る。  この時期にだけ現れる「葉っぱ市場」は、テトを迎えるために欠かせない、ホーチミン市の特徴的な文化の1つとなっている。 

[Quynh Tran, VnExpress, 20/1/2017 | 10:08 GMT+7, A]
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