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[特集]

竹の魅力を世界に広げたい、竹製自転車を制作する手工芸村の青年

2017/02/26 05:02 JST更新

(C) Zing.vn
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(C) Zing.vn, タンさん(右)と見学の学生
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 南中部沿岸地方クアンナム省ホイアン市カムタイン村で、竹製手工芸品を制作する裕福な家庭で育ったタンさんは幼いころから竹やココナッツ、コルクで日用品を作る練習を重ねた。  いつか竹製の自転車を作りたいという思いを抱いていたタンさんは、2012年初めに同じ夢を持つオランダ人と知り合い一緒に竹製の自転車を制作し輸出することに成功した。  頑丈なフレームにするため、原料には村内や川沿いに位置するクエソン郡やディエンバン町から4年以上の成竹を水路で運び仕入れている。  自転車のフレームには直径が細くしなやかな竹が適しているそう。仕入れた竹は泥に6か月間浸けた後、乾燥させ倉庫に保管し少しずつ使う。  オランダに輸出している自転車の価格は1人乗りや2人乗りなどフレームによって500~1000USD(約5万7000~11万4000円)、1台売れば1年分の原料を仕入れても利益が残るという。タンさんは年間に自転車40台を受注し、英国やドイツ、オランダ、フランスなどへ輸出している。  このほか、タンさんの制作所では観光客向けに竹製の帽子やコップ、スマートフォンカバー、ギター、時計、ベッドサイドランプ、子供用のおもちゃなども制作している。  竹製自転車の成功からタンさんと職人たちは、3か月かけて古都ホイアンを訪れる観光客向けに竹製フレームの電動自動車を制作した。

 電動自動車のフレーム制作は竹と金属をいかにうまく組み合わせるかが難しく、カラムシを使った天然の紐と接着剤を使用することで気温の変化で竹がひび割れないように工夫したとのこと。  カムタイン村に住むある若夫婦はタンさんの電動自動車を知り、是非結婚式に使わせてほしいと問い合わせ、結婚式当日は竹製自動車に乗って新婦を迎えに行き思い出に残る日となった。  タンさんの制作所には南中部沿岸地方ダナン市のダナン建築大学の学生が竹製の手工芸品の作り方を見学しに来たこともある。ある学生は、タンさんの作品はとても興味深く、ベトナムの田舎にある竹がこのようにオリジナリティのある物に生まれ変わるとは考えてもみなかったと驚きをみせる。  竹製の自転車や手工芸品を通して世界の人々に、素朴で力強くしなやかで「ベトナムの農村の魂」のような植物、竹について広く知ってほしいとタンさんは語る。  ホイアン市人民委員会は、タンさんの竹製自転車フレームや手工芸品の制作は地域住民の収入向上や伝統手工芸の再活性化に大きく寄与しているとして、タンさんを始めとするカムタイン村の竹製手工芸制作を支援していく計画だとしている。 

[Minh Hoang, Duc Phuong, Zing.vn, 14:30 14/02/2017, T]
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