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[特集]

ベトナム語で動画配信の日本人女性YouTuber、「ベトナムと日本の架け橋に」

2018/01/14 05:02 JST更新

(C) thanhnien
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 「こんにちは、あかりです。『カレーを食べる(ăn cà ri)』と似てるでしょ?(Xin chào, mình tên là Akari, nghe giống ăn cà ri đúng không?)」―ベトナムに住んで約1年半になる大阪出身の日本人女性、中谷あかりさんが配信するユーチューブ(YouTube)チャンネルの動画の冒頭でおなじみの一文だ。

 あかりさんのYouTubeチャンネル「aNcari Room」は、ベトナムで暮らす中での忘れがたい経験や好きな食べ物、ベトナム語学習の過程などを残したり共有したりする場となっている。中でも最もよく知られ広く共有されている動画の一つとして、あかりさんがベトナム語の歌をカバーし歌っているものがある。

友人との縁がきっかけでベトナムへ

 彼女とベトナムとの縁は、1人のベトナム人の友人だった。今その友人は日本に住んでいるが、ベトナムを気に入ったあかりさんは、ベトナムに一定の期間住もうと決めた。

 「日本の大学で環境学を専門に学んでいたとき、ベトナム人留学生の女の子と出会い、後に私の1番の親友になりました。その友人の紹介で、何度か旅行でホーチミン市に来て、卒業後にベトナムに住むことに決めました。この国に心を打たれ、自分自身に挑戦したかったからです」とあかりさん。

 ベトナムに住んで約1年半、あかりさんはホーチミン市のトンドゥックタン大学でベトナム語を学んだり、日本語のベトナム情報サイトにベトナムでの経験について書いたり、時にはバックパックをしょってホーチミン市以外の地域を旅したりしている。

「ベトナム語は難しい」

 日本人の父と台湾人の母を持つあかりさんは、幼いころから多文化な環境の中で暮らしてきた。日本語はもちろん、英語でも流ちょうにコミュニケーションをとることができ、中国語も多少できるが、あかりさんにとってベトナム語学習はとても難しいという。

 「ベトナム語は語彙も文法もとても複雑です。ベトナム語は、学校で学ぶほかにベトナムの友人や家族、インターネットからも学びました。1年半住んで、流ちょうとまではいきませんが基本的なコミュニケーションはとれるようになりました」。

ベトナムと日本の文化の架け橋になりたい

 「ベトナムに来るまで、私は人見知りで自分自身にプレッシャーをかけてしまうタイプでした。やりたいことや言いたいことがたくさんあっても、他人が自分のことをどう思うだろうかと不安でした。ベトナムに来てからは、皆あたたかくてオープンなので、私自身もありのままの自分でいいんだと気づきました。ベトナムに住むと決めてからは新しいことにもチャレンジするようになり、YouTubeでの動画配信も始めました」とあかりさん。

 あかりさんがYouTubeチャンネル「aNcari Room」の開設を決めた理由は3つある。1つ目は自分自身に挑戦すること、2つ目はベトナム語のスキルを上げること、3つ目はベトナムと日本の文化の架け橋になることだ。

 「日本でベトナムというと何も知らない人もいるし、時にはマイナスのイメージを持つ人も中にはいます。なので、私は日本の人たちにベトナムの全く違う一面や本当のベトナム、美しいベトナムを伝えたいんです。私の中でベトナムはあたたかくて親しみやすい国なんです」。

 YouTubeチャンネル「aNcari Room」の動画を撮影する中で、あかりさんは日本語を専門に学んでいるベトナム人のズエンさんと出会った。2人は好みが似通っていることや互いの言語がわかることもあり、日に日に親しくなっていった。ズエンさんは今、あかりさんとともに「aNcari Room」を管理し、多くの動画にも出演してベトナムと日本の文化や言語の違いについて紹介している。

 ズエンさんは、「あかりさんからたくさんのことを学んでいます。特に、大勢の前に出るときの自信でしょうか。あと、あかりさんのおかげで英語と日本語のスキルも上がりました。私とあかりさんは普段は英語で会話しますが、わからないときは辞書を使います(笑)」と語る。

「ベトナムの家族に感謝を伝えたい」

 あかりさんは、ホーチミン市でベトナム人の家族とともに暮らしている。その家族とは、あかりさんの大親友の家族だ。日本の家族と離れて暮らしていても、ホーチミン市の暮らしが大阪ほど便利でなくても、彼女を愛し助けてくれるベトナムの家族がいるおかげで孤独を感じたことはないのだという。

 「家族の皆がベトナム料理の作り方やベトナム語の話し方を教えてくれて、慣れない国に住み始めたばかりの私にいろいろ指南してくれました。ベトナムの家族がいなかったら、こんなに良い生活を送ることはできなかったでしょう。ベトナムの家族には、ただただ感謝の気持ちを伝えたいです」とあかりさんは語った。

 ベトジョーライフ(VIETJO LIFE)で連載中のあかりさんのコラム「aNcari のベトナム部屋」の一覧はこちら → 「aNcari のベトナム部屋」 

[Quynh Phuong - Thanh Tam, Thanh Nien, 02:11 PM - 19/12/2017, A]
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