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[特集]

苦しみ乗り越え女性に、新たな外見とともに手に入れた幸せな人生

2020/10/18 05:41 JST更新

(C) zingnews
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 「本当の性」で生きるため、グエン・ゴック・アインさん(22歳)は何十回もの手術を受け、人に嫌悪され、遠ざけられることすらも受け入れた。新たな外見を手に入れた今、彼女はようやく幸せをつかむことができた。

 ホーチミン市在住のアインさんは、ベトナムでトランスジェンダーであることをオープンにしている数少ない1人だ。男の性で生まれ、グエン・ベト・トゥアン・アインとして幼少期を過ごしたが、思春期には女性の服を着たり、化粧をしたりすることを好んだ。

 「ある日、私のクローゼットにスカートや化粧品が入っているのを見つけた母は、とてもショックを受けていました。母は長い時間泣き続け、ようやく私を受け入れてくれました」とアインさんは語る。

 中学4年生(日本の中学3年生)になると、アインさんはトランスジェンダーに関する情報を収集し、性転換手術を受けてエンターテインメント界でも活躍しているフオン・ザンさんの影響を受け、性転換手術に向けて貯金を始めた。

 高校を卒業すると、東南部地方ビンズオン省にあるトゥーザウモット大学の英語学科に進学し、貯金をするために家庭教師や外資系企業の翻訳などのアルバイトをしてお金を稼いだ。

 5億VND(約230万円)が貯まった2015年、アインさんは母親に手術を受けたいという思いを伝えた。しかし、アインさんが打ち明けるや否や、母親はアインさんを家の外に追い出した。

 スーツケースを引きずって家を出た瞬間、男の「トゥアン・アイン」さんは女の「ゴック・アイン」さんに生まれ変わった。かつらをかぶったり、スカートを履いたり、胸にパッドを詰めたり、化粧をしたり、自由に好きなことができるようになったのだ。

 アインさんは、18歳のときにホルモン注射を打ち始めた。当時のベトナムではホルモンを販売しておらず、タイから購入しなければならなかった。

 アインさんは、ホルモン注射は生涯にわたり続けなければならないことや、多くの副作用があることから不安だったが、リスクを受け入れることにした。経済的な問題もあり、ホルモン注射を打つのは10日に1回のみだったため、効果が表れるのも人より遅かった。

 ホルモン注射を打ち始めたばかりのころ、アインさんはショック症状や眠気、ストレスなどに苦しんだ。数か月が経ち、薬に適応するようになると、自分の身体がより女性らしくなっていくのを感じ始めた。

 大学2年生のとき、アインさんは女性の外見を手に入れるため、鼻形成と顎削り、豊胸の手術を受け、美白注射を打った。手術が終わって目が覚めると、そばには自分を追い出したはずの母親がおり、アインさんはあふれ出す感情を止めることができなかった。

 2017年の初め、新たな外見を手に入れたアインさんは、自信たっぷりに外へ出られるようになった。手術の傷が治ると、アインさんは幸せそうな様子で娘として実家へ帰った。

 友人たちは、まさかこの女性がいつかの色黒の男の子だとは思いもよらず、近所の人たちもまた驚いていた。そして、母親もアインさんの「本当の性」を受け入れた。「過去を否定はしませんが、女性の見た目でより良い人生を送るため、過去は自分の中にとっておきます」とアインさん。

 数十回に及ぶ大小様々な手術を受けて3年が経った今も、健康上の問題が数多くあるため、アインさんは常に自身の手入れを怠らない。毎日ジムに通い、健康的な生活習慣を維持している。

 アインさんは、新たな外見に生まれ変わって幸せに生きていると語る。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の個人ページにはいつも、美しい外見や幸せな生活の写真を投稿している。

 外見が生まれ変わったことで、アインさんの人生と恋愛はより華やかなものになった。アインさんは今、知り合って9か月の男性と交際している。

 「恋人になってから、自分がトランスジェンダーだということを彼に伝えました。最初は彼も悲しんでいましたが、共感してくれて、より私のことを愛してくれるようになり、私自身も彼の愛情と誠実さを感じました。2人の将来についても考えています」とアインさんは語る。

 アインさん自身も、2人の最大の障壁は家族だとわかっている。特に彼は親族から大きな期待がかかっており、子供を産めない女性との結婚は難しい状況にある。アインさんは何度もこのことについて彼に話してきたが、そのたびに彼は「何があっても僕は君から離れないよ」とアインさんをなだめた。

 アインさんは、彼の母親に1度だけ会ったことがあるが、彼の母親はアインさんがトランスジェンダーであることには気づかなかった。アインさんはいつか本当のことを話すつもりでいるが、まだ一歩を踏み出せないでいる。

 「私と彼もお互いに、もう少し時間が経ったら、と話しています。もし彼の家族に強く反対されたら、私は受け入れるつもりです。でも彼は、あきらめずに2人で頑張ろうと言ってくれています」。

 過去を振り返って、アインさんは自分の決断を後悔したことは一度もないという。今、アインさんは金融関係の仕事に就いており、成功した女性になるという夢を抱いている。そして、トランスジェンダーのミスコンに出場するため、ダイエットもするつもりなのだと明かした。 

[Zing news 07:36 10/10/2020, A]
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