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[特集]

小さな夫婦の大きな愛、始まりはYouTubeで一目惚れ

2020/11/22 05:13 JST更新

(C) thanhnien
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 小人のように小さいグエン・バン・フンさん(男性・32歳)とレ・ティ・ジエム・ミーさん(女性・32歳)のカップルは最近、結婚1周年の記念に撮影した写真をソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)にアップし、多くの人々から祝福を受けた。夫婦はどちらも身長が小さく、小学1年生のような見た目だが、互いを愛する気持ちはとてつもなく大きい。

 フンさんは北中部地方ゲアン省ナムダン郡出身、ミーさんは南中部沿岸地方ニントゥアン省ニンフオック郡出身だ。身長と体重は、フンさんが120cmの20kg、ミーさんが118cmの18kg。見た目にハンデはあるものの、2人が互いに与え合う愛とエネルギーは、困難な状況にある多くの人々のモチベーションとなっている。

 「結婚して1年が経ち、短い期間ではありますが、私たちにはたくさんの思い出があります。2人の愛をさらに深める機会にもなるので、結婚1周年の記念に写真を撮影することに決めました」とフンさんは語る。

 普通の人たちと異なり、成長ホルモンが不足していることから2人は30歳を超えても子供のような顔つきと体つきをしている。

 フンさんは高校を卒業すると、コンピューターの勉強をするため東南部地方ドンナイ省に引っ越した。生計を立てるために小中学生の家庭教師として働き、収入を得た。しばらくして、ハノイ市にある「ウィルトゥーライブ(Will to Live=Nghi Luc Song)」という職業学校のことを知り、ここでトレーニングマネージャーとして、また写真加工の教員として働くことに決めた。それ以来、「リトルティーチャー」というあだ名がついている。

 その後、運命がフンさんとミーさんを結び付け、2人は互いに好意を抱くようになり、運命を受け入れ、夫婦になった。ミーさんはフンさんの並外れたエネルギーと才能に惚れ込み、最初のころは自分のほうから積極的にフンさんにアプローチしていたのだと打ち明けた。

 「田舎にいたときは、家で両親にごはんを作るほかにできることもなく、鬱々としていました。妹も弟もいつかは結婚し、家を出てしまいますし。そんな時、たまたまユーチューブ(YouTube)やフェイスブック(Facebook)でフンさんのことを知り、一目惚れをしました」とミーさんは振り返る。

 「私は何とか彼の電話番号を入手し、間違い電話のふりをして電話をかけて、メッセージを送って、知り合いました。でも、そのときはフンさんが私のことを好きでないとわかっていたので、悲しい音楽を聴きながら、フンさんに気付いてもらいたくてSNSに投稿をしたりもしましたが、彼は気にも留めていないようでした。最初はうまくいけばラッキー、うまくいかなくても仕方がない、と考えていたのに、まさかこうして夫婦になるなんて思ってもいませんでした」。

 その後、ミーさんは故郷を離れてハノイ市に移住し、ウィルトゥーライブセンターで勉強を始めた。センターの寮で他のメンバーたちと一緒に暮らす中で、フンさんは次第にミーさんに好意を抱くようになり、いろいろなことを理解し合い、共有し合いながら愛を育てていった。フンさんとミーさんが双方の家族や友人たちのサポートと祝福を受けて結婚を決めるまで、3年間にわたり交際をした。

 夫婦になって1年、2人の生活はいつも楽しく幸せだ。2人は生活費を節約するため、友人3人と一緒にマンションの一室を借りて暮らしている。フンさんは教員の仕事を続けており、ミーさんは写真加工の仕事をしている。生活の中で大変なこともあるが、互いの愛情と存在が困難を乗り越え、人生を歩み続けていくための原動力になっている。

 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行し、全国的に学校が休校になり、私も仕事が休みになりました。家にいて時間があったので、思い出の瞬間を残すため、そして生活の楽しみを見出すために新しいユーチューブチャンネルを作りました。意外にもこのチャンネルが多くの人に受け入れられ、応援してもらえたので、ここから収入を得ることができ、生活も以前より少し快適になりました。今はどこかに行ったり自分のために何かを買ったりするときに、以前のようにあれこれ考えなくてもよくなりました」とフンさんは語る。

 フンさんから見たミーさんは、温和できちんとしていて、家族の世話をよくできる人という印象だ。夫婦ともに子供のような外見であるがゆえに生活の中で苦労することもあるが、より楽しく、より幸せな人生を送るために2人で頑張って乗り越えている。

 「2人とも身長が低いので、重いものを高いところに運んだりするのは難しいんです。我が家は借家でキッチンは普通の人の身長に合わせてあるので、料理をするたびに椅子を踏み台にしなければなりません。ユーチューブチャンネルでは、システムによって2人の顔が子供として誤って認識され、コメント機能をオフにされてしまったり、子供向け動画に分類されてしまったりということもよくあります」とフンさんは打ち明ける。

 2人は近い将来、仕事を続けながらお金を工面し、マイホームを持ちたいと考えている。新しい家を買ったら、キッチンの設計をはじめ、家中のものを自分たちの身長に合わせてそろえるつもりだ。

 2人の結婚1周年記念写真を撮影した写真家のチャン・チャーさんは、2人のラブストーリーに心から感動したと話す。フンさんとミーさんは身体こそ小さいが、その並外れたエネルギーで多くの人々に刺激とモチベーションを与えているのだ。

 「私は、フンさんとミーさんに記念写真をプレゼントすることにしました。2人は、互いのために生まれてきた人たちが本当にいるのだということをはっきりと証明しているからです。私は、小さな夫婦の、2人の人間のおとぎ話のようなラブストーリーを、写真を通じて伝えたいと思い、2人の写真を撮ったんです」とチャーさんは語った。

フンさんとミーさんのユーチューブチャンネル「Thay Giao Ti Hon(「リトルティーチャー」の意)」:https://www.youtube.com/user/nguyenhungnls 

[Thanh Nien 12:31 02/11/2020, A]
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