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[特集]

「数を数える動画」がバズって人生激変、牛飼いの青年の今

2022/08/07 10:27 JST更新

(C) tienphong
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 名もなき牛飼いの青年だったソー・イー・ティエットさん(1988年生まれ)は、「英語で数を数える」という1本の動画がバズったことで、たった1晩で一躍有名人となった。この思いがけない幸運に続いて、ティエットさんの人生も劇的に変わった。

 ティエットさんは最近、モダンで利便性の高い、贅沢な設計の自宅を建てたばかりだ。自宅はベッドルームが2つ、トイレが2つ、リビングルームが1つ、キッチンが1つという造りで、広い土地の一角にこぢんまりと建っている。敷地内には前庭と裏庭を広くとり、野菜や果物を育てている。

 建設費と内装費は合わせて約10億VND(約570万円)。「以前は夢を持つにしても、こんな自宅を持てる日が来るなんて大そうな夢を持つことはありませんでした」とティエットさんは感慨深げに語る。

 南中部沿岸地方ビンディン省出身のティエットさんの以前の本職は、牧場主に雇われた牛飼いだ。彼が有名人になったきっかけは、英語で数を数えるという動画をインターネットに投稿したことだった。この動画がバズった後も、ティエップさんは歌を歌ったり、日常の何気ない瞬間を紹介したりする動画を投稿し、視聴数を伸ばしてきた。

 容姿端麗ではないものの、ティエットさんの風変わりな魅力とポジティブなエネルギーが、国内外の視聴者の注目を集めるもととなっている。有名人になってからも、質素で謙虚、素朴なイメージは変わらない。それこそが、視聴者に愛される理由でもある。

 2021年末、30年以上も雇われ牛飼いとして働き、下宿に暮らしていたティエットさんがついに故郷で持ち家を建てるための広い土地を購入したという知らせに、ファンたちは大いに喜んだ。土地は54×12m、総面積にして648m2だという。

 「自分で購入したこの初めての土地は、とても特別です。34年間の仮住まいの人生に終止符が打てるんですから。言葉で表せないくらい幸せですよ。皆さんに感謝しています」とティエットさん。

 素朴で正直なティエットさんは、視聴者から収入について聞かれても包み隠さず話す。彼によると、動画配信プラットフォームによる収入は1日30万~60万VND(約1700~3400円)で安定しているのだという。このほか、イベントや広告に出演することでも収入を得ている。恋人のボン・ランさんが、契約書のチェックややりとりを手伝ってくれている。

 ティエットさんは、父親が定職に就いていない家庭に生まれた。そのため、その日を生き抜くためにきょうだいは物乞いをさせられていた。2006年、ティエットさんは慢性肺炎の診断を受け、中学3年生(日本の中学2年生に相当)のときに学校を辞めざるを得なくなった。2009年には父親が亡くなり、きょうだいは孤児院に送られた。

 孤児院は身体が弱かったティエットさんを故郷に戻し、ティエットさんは先に妹を引き取っていた伯母のもとで一緒に暮らすことになった。肺炎の後遺症でいつも痩せこけて病気がちだったティエットさんは、力仕事ができなかったため、雇われの牛飼いの仕事をすることにした。

 2020年2月末のある日の午後、放牧中の牛の番をしていたティエットさんは、スマートフォンで有名な楽曲を流しながら歌のリズムに合わせて英語で牛の数を数えるという動画を撮影してみた。そしていつものように、歌い終わると記念としてティックトック(TikTok)に投稿した。

 思いがけず、その動画はたった1晩で瞬く間に拡散され、その勢いはスヌープ・ドッグやクリス・ブラウン、ジャスティン・ビーバーといった世界的な大スターの目にも止まるほどだった。

 米国のとあるプロデューサーからは、全ての費用を負担するから渡米してショーに出演してくれないかと声がかかったが、ティエットさんは「なんのこっちゃ」とばかりに即断った。

 今、ティエットさんのSNSのフォロワー数は、ティックトックが約310万人、インスタグラム(Instagram)が約73万7000人、ユーチューブ(YouTube)が約57万9000人、フェイスブック(Facebook)が約8万人に上る。

 こうした人気のおかげで、誕生日パーティーのゲストとして歌うことで収入を得たりもするようになり、薬を買ったり、伯父伯母の自宅を修繕したりするお金を工面できるようになった。

 さらに、理想の恋人であるボン・ランさんを見つけることもできた。2人の関係は、2021年半ばに公表された。「ボン・ランは海外のファン向けに私の写真がプリントされた服を販売する手伝いなど、副収入を得るためにオンラインビジネスのやりくりをしてくれています。ティックトックの動画編集も手伝ってくれているんですよ」。ティエットさんは、ようやく出会えた「ソウルメイト」についてそう語った。 

[Tien Phong 11:58 20/07/2022, A]
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