[特集]
テトの繁忙期を迎える魚の炭火焼き、職人は昼夜大忙し
2026/02/08 10:06 JST更新
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テト(旧正月)が近づくと、宴席用やテト期間に備えた保存用として、海の魚の炭火焼きの需要が高まる。これに伴い、北中部地方クアンチ省のクアベト村で魚を焼く仕事に従事する人々は、平常時よりも一層忙しくなる。
クアベト村の海辺特有の強い日差しと風の中で、1年を通して赤く燃える炭火のそばに黙々と座り、新鮮な魚の素朴な風味を守り続ける人々がいる。
クアベト村タンスアン村落の住宅街には、早朝からかまどの煙が立ち上る。タンスアン村落在住のチャン・クアン・ビンさん(男性・55歳)は、20年以上も続けてきた魚の炭火焼きの仕事を、この日も始める。
ビンさんは、地元の漁師から直接、新鮮な魚を仕入れる。サバ、マグロ、ニシン、ムロアジ、タチウオなど、日によって種類は異なるが、共通点は水揚げされたばかりの新鮮な魚であることだ。
「冷凍魚を焼くと香りがなくなり、身の甘みも失われてしまうんです」とビンさんは話す。魚の大きさに応じて、丸焼きにする場合もあれば、切り身にして焼く場合もある。
午前中は魚を洗い、軽く天日に干す。11時から正午ごろ、炭火が均一に熱せられると焼き作業が始まり、夕方や夜遅くまで続く。平均して1日に約200kgの魚を処理するが、多い日には300kgに達することもある。
ニシンは焼く過程で約30%目減りし、焼く前に10kgあったものが完成品は約7kgになる。切り身にした魚は、およそ半分ほどが残る。
一見単純に見える仕事だが、その環境は非常に過酷だ。職人は1日中、立ち上る熱気の中で炭火の前に座り、絶えず魚をひっくり返し続けなければならないのだ。
「この仕事は忍耐力が必要です。暑さと向き合い、1年中火のそばに座っていても、利益は高くありません」とビンさんは語る。フェーン現象の影響を受けるクアンチ省の夏は1年で最も過酷な時期で、顔に吹き付ける熱気が耐え難い日も少なくない。
魚の炭火焼きの収入は、仕入れる魚の質によって大きく左右される。「良い状態の魚が手に入った日は、夫婦2人で約50万VND(約3000円)の収入になりますが、魚の状態が悪い日は、ほとんど収入がありません。焼いた魚は主に卸売で、仲買人が家まで引き取りに来て、省内各地へ運ばれていきます」とビンさんは話す。
クアベト村には、同様に魚の炭火焼きを生業とする世帯が約10世帯ある。スアンゴック村落在住のグエン・ティ・ブイさん(女性・47歳)によると、彼女の工房では毎日約300kgの魚を焼いており、テトなどの繁忙期や豊漁の時期には、最大で1tに増えることもある。4人で働き、焼いた魚は自宅で仲買人に直接販売している。
ビンさんも同様に、テトの時期には宴席用や忘年会用、三が日に備えた保存用として、焼いた切り身の魚の需要が高まると話す。市場の需要に応えるため、夫婦で出荷内容を調整している。テト直前の価格は、漁師が魚を水揚げできるかどうかによって日々変動する。
クアベト村当局によると、同村では海洋経済の開発計画を策定中で、2026年4月に承認される見通しだ。2025年の水産物漁獲量は1万tを超え、67の水産加工施設と多様な漁業関連サービスが存在している。漁業関連サービスは海洋経済の「後方支援」と位置づけられ、雇用創出と水産物の付加価値向上にも寄与している。
その中で、手作業による魚の炭火焼きは、何十年にもわたり「火のそばに座る人々」の忍耐強い手によって、クアベト村の海の魚ならではの風味を静かに守り続ける、重要な役割を果たしている。
[Tuoi Tre 14:22 29/01/2026, A]
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