[特集]
ヘチマ繊維を活用したエコ製品を世界へ、「人と自然を繋ぐ」起業家
2026/04/05 10:29 JST更新
) (C) bnews |
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近年、農業環境省は世界中の消費者と繋がるための循環型経済の発展を推進している。多くの企業や団体が農業廃棄物や農業副産物を生産に活用し、経済発展、コスト削減、そして環境保護を同時に実現している。
南部メコンデルタ地方ドンタップ省在住のドー・ダン・コアさん(男性)は、消費者のトレンドをいち早く読み取り、「人と自然を繋ぐ」という思いのもと、農業副産物であるヘチマ繊維を使った環境保護に繋がる手工芸品作りに情熱を注いでいる。
自然に還るグリーンスタートアップ
コアさんの自然回帰への旅は、国内外でプラスチックの代替品として環境汚染を減らす天然素材が好まれているというトレンドに気づいた2014年に始まった。同時に、海外のパートナーからの提案をきっかけに、ヘチマ繊維を活用して環境に優しい製品を多数生み出すというアイデアを思いついた。
2017年には友人のドー・マイン・クアンさん、レ・ナーさんと共に、農業廃棄物、特にヘチマ繊維の経済的価値を再生させる取り組みを開始した。
コアさんは子どもの頃、家族や周りの多くの人たちがヘチマの乾燥した部分、つまりヘチマ繊維を入浴や食器洗いに使っているのを見てきた。当時、プラスチック製品はまだ普及していなかったが、このような自然の製品は環境にとても優しいものだった。
古くなったヘチマ繊維は使わなくなって捨てられても、短期間で急速に分解される。分解されるまでに100年から500年を要するプラスチック製品と比べて、これは非常に大きな利点なのだ。
この素材の持つ潜在能力と、安全で長期的に継続できる方向性を認識したコアさんは、この素材を使った事業を立ち上げることを決意し、「ヘチマ村プロジェクト」と名付けた。
2018年、このプロジェクトはドンタップ省のスタートアップビジネスコンテストで準優勝を果たした。さらに2023年には、全国グリーンスタートアップビジネスコンテストにおいて、25の省・市から集まった36のプロジェクトの中で最優秀賞に選ばれ、1億5000万VND(約91万円)の賞金を獲得し、その評価は頂点に達した。
「ヘチマ村」ブランドの製品は一村一品(One Commune One Product=OCOP)で3つ星および4つ星を取得しており、その品質と持続可能な生産のルーツが証明されている。
ものづくりと並行して、「ヘチマ村プロジェクト」の地域社会に対する意義をより深めるため、コアさんは積極的に栽培地を整備し、南部地方のヘチマ農家と緊密な連携を築いてきた。
現在、コアさんが使用する原材料の約70%は、ヘチマ繊維の生産に携わっている20世帯の連携農家から買い上げている。このモデルは原材料の安定供給を確保するだけでなく、農家に安定した収入をもたらし、地域の人々の雇用創出にも繋がっている。
耐久性と柔軟性を確保するため、コアさんは細心の注意を払って製造工程を厳格に管理している。収穫された乾燥ヘチマは作業員によって洗浄、皮むき、乾燥が行われ、厳格な防カビ処理の工程を経てから圧延機にかけられ、製品ごとのデザインに合わせて成型される。
製品に応じてヘチマ繊維は分厚く、または薄く加工される。この製法により繊維の密度が高まり、より柔軟で滑らかな仕上がりになるため、製品の耐久性が高まる。
ヘチマ繊維というシンプルな原材料を用いて、コアさんはペットのおもちゃ、キッチンスポンジ、ボディスポンジ、靴の中敷き、ドライフラワー、ギフト、土産物、ランタン、ランプシェードなど、様々な日用品を生み出している。
さらに、ヘチマ繊維は環境や使用者の健康にとって安全であり、耐久性、耐水性、耐熱性に優れているだけでなく、生産過程での二酸化炭素排出量を抑えることにも貢献している。
世界へ羽ばたく
「ヘチマ村」が設立された当初、最初の製品を選んだのは海外の消費者たちだった。推定で毎年100万個のヘチマ製品を生産している。トウモロコシの皮や鶏の羽を組み合わせるなど、多様なヘチマ製品のうち80万個が日本、韓国、オーストラリア、米国へ輸出されている。
国内市場での消費量は20万個程度だが、その主要な顧客層は若者たちだ。コアさんはこの現状について、ベトナムの若者たちの考え方や環境保護に対する意識が、日用品の細部に至るまで徐々に変わってきていることを示しているためだと語る。
現在までに、「ヘチマ村」ブランドは日本、韓国、米国、ドイツ、オーストラリアといった厳しい市場の開拓に成功している。これらの市場に受け入れられ、安定した成長を遂げていることは、コアさんの製品の卓越した品質と持続可能性を明確に裏付けている。
今後、コアさんは韓国での事業拡大を続けるとともに、電子商取引(eコマース=EC)サイトであるアマゾン(Amazon)での直接販売の戦略と手続きを本格化させる予定だ。コアさんはこれが足がかりとなり、ヘチマ繊維の供給分野におけるベトナムのトップ企業へと成長し、環境に優しい製品を通じて「人と自然を繋ぐ」という使命を果たせると確信している。
事業は社会的・環境的責任と両立でき、地域社会と地球に持続可能な価値を生み出せるというのがコアさんの信念だ。明確なビジョンと戦略的な歩みにより、「ヘチマ村」はベトナムのブランドを国際的な舞台へとさらに飛躍させている。
[Bnews 10:23 23/11/2025, A]
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