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[特集]

国旗掲揚台にはためく巨大な旗を20年縫い続ける職人、誇りと継承

2026/04/26 10:18 JST更新

(C) thanhnien
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 過去20年近くにわたり、北中部地方クアンチ省のヒエンルオン・ベンハイ国旗掲揚台にはためく国旗はすべて、省内に暮らす平凡な職人の丁寧な手作業によって縫い上げられてきた。国旗の大きさは約80m2と巨大だ。

祖国の旗を縫う仕事との縁

 多くのベトナム人にとって、祖国の旗の下で写真を撮ることは誇りだが、クアンチ省クアンチ街区在住のグエン・ホアン・ルオンさん(男性・74歳)にとって、その誇りはさらに大きい。なぜなら、彼自身が20年近くにわたり、ヒエンルオン・ベンハイ国旗掲揚台にはためく国旗を黙々と作り続けてきたからだ。

 ルオンさんの小さな家では、赤や黄色の布の巻物が部屋の中にきちんと積み重ねられている。光を取り込むためにドアの方に向けられたミシンに向かい、ルオンさんは4月の祝日の掲揚に間に合うよう、ヒエンルオン・ベンハイ両岸特別国家級遺跡管理委員会に納品する3枚の国旗を仕上げているところだ。

 「この仕事を20年近く続けていますが、仕立て屋の仕事は若い頃からやっています。この仕事との縁は偶然なんです。当時はこれほど大きな国旗の制作を引き受ける人はほとんどいませんでしたが、私はこれが非常に名誉な仕事だと理解していたので、喜んで引き受けました」とルオンさんは語る。

 2001年、ヒエンルオン・ベンハイ両岸遺跡区は特別国家級遺跡に指定された。その1年後、当時のクアンチ省は遺跡の保存と修復に450億VND(約2億7100万円)を投じ、2007年にプロジェクトが完了した。ちょうどこの時期に、遺跡の幹部や職員たちは、国がまだ分断されていた時代に掲げられていたような、巨大な国旗を縫える人を探し始めた。

 その縁が巡ってきたとき、ルオンさんはためらうことなく引き受けた。

 「当初、遺跡の職員たちは同業者である私の友人に連絡を取りました。でも、依頼された国旗があまりにも大きかったため、友人は断り、私を紹介してくれたんです。国旗の大きさが約80m2だと知って、私も躊躇しました。ただ、自分の腕前と、これが大変な名誉だということを理解していたので、縫製を引き受けることにしました」とルオンさんは振り返る。

 ヒエンルオン・ベンハイの国旗掲揚台に掲げられる国旗は、横の長さが10.5m、縦の長さが7.2m、総面積が約80m2もあり、大量の布と多くの日数、そして細やかな作業が必要となる。しかし、過去20年近くにわたり、ルオンさんはいつも期日通りに指定された枚数の国旗を完成させ、ベンハイ川のほとりには常に金星紅旗がはためいている。

「一針一針から色合いまで、すべてに大満足」

 ルオンさんの息子であるグエン・クイ・ラムさん(男性・43歳)は、幼い頃から父親の仕事を継ぎたいと思っていたと話す。「現在は教師をしていますが、今でも父の仕事が好きです。副収入を得られるというだけでなく、とても深い意味がありますから。最近は父も高齢になったので、一番難しい工程は私がよく手伝っています」。

 ルオンさんによれば、国旗の完成までに7~10日ほどかかるという。若い頃は1人でもっと早く作ることができたが、時が経つにつれて体力が低下し、子どもたちのサポートが必要になった。

 国旗1枚を作るには、約80m2の布が必要となる。赤い背景部分はたくさんの小さな布を縫い合わせて作り、強風の中ではためいても破れないよう、一針一針をしっかりと丈夫に縫い上げなければならない。

 赤い背景を縫い合わせた後、親子2人は自宅近くの幼稚園の庭を借りて国旗を広げ、星型の竹の枠を使って黄色い布を裁断し、赤い布と縫い合わせていく。これが最も大変な工程だ。

 「この仕事をしていて、幼稚園の園長先生が何代変わったか、遺跡の幹部が何代変わったか分かりません。でも、皆さんはいつも便宜を図ってくれ、私の作る国旗を信頼してくれました。今は年をとって以前のようにはできませんが、この仕事は意義深いものなので、これからも引き継いでいくために、少しずつ子どもや孫に指導しているところです」とルオンさんは語る。

 ルオンさんは、ヒエンルオン・ベンハイ国旗掲揚台だけでなく、同じくクアンチ省のコンコー島国旗掲揚台にはためく国旗を作った人物でもある。

 2026年4月、ヒエンルオン・ベンハイ両岸特別国家級遺跡は大規模な修復を経て再び一般公開された。ヒエンルオン橋は新しく塗装され、国旗掲揚台の足元にある敷地もより美しく整備された。

 新しい装いになっても、ヒエンルオン橋と国旗掲揚台にはためく国旗は人々の国家統一への切なる願いの象徴となっており、この場所は今もなお神聖な歴史的価値をそのまま残している。

 ヒエンルオン・ベンハイ両岸特別国家級遺跡管理委員会のグエン・ティ・トー・ホアイ委員長は、ルオンさんの腕前と献身的な姿勢を評価している。

 「ルオンさんが縫う国旗は、縫い目の一針一針から色合いまで素晴らしく、すべてに大満足です。長年にわたり、彼は我々のすべての要求にしっかりと応えてくれています。我々は今後も長期的な協力関係を築き、ベンハイ川のほとりに美しい国旗が空高くはためき続けるよう、環境を整えていくつもりです」とホアイ委員長は語った。 

[Thanh Nien 06:06 21/04/2026, A]
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