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[特集]

故ホー・チ・ミン主席の原点を今に伝える最初の博物館

2026/05/24 10:29 JST更新

(C) dantri
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 故ホー・チ・ミン主席が産声を上げ、幼少期を過ごしたまさにその場所が、ホー主席の生涯と革命の軌跡に関する最初の博物館が置かれた場所でもあることは、あまり知られていない。

簡素な展示品を通してホー主席に「出会う」

 北中部地方ゲアン省キムリエン村(xa Kim Lien)の父方の故郷であるセン村(lang Sen)と母方の故郷であるホアンチュー村(lang Hoang Tru)にある家屋の復元とともに、ホー主席の家族や幼少期に関連する貴重な遺物が、ゲアン省文化当局とホー主席の故郷を保護する組織によって次々と収集された。

 この中には、ホー主席の父親である故グエン・シン・サック氏が1901年の科挙で「副榜」と呼ばれる官吏の地位に合格した際に、阮(グエン)朝(1802~1945年)第10代皇帝タインタイ(Thanh Thai=成泰)帝(在位1889~1907年)から賜った「恩賜寧家(良家への皇帝からの恩寵)」の額や、木製の盆、ホー主席と兄が休んだ木製のベッド、戸棚、書き物机、茶器セット、長椅子、硯などが含まれる。また、ホー主席の母親であるホアン・ティ・ロアン氏が使用していた木箱も収集された。発見されるまで、この木箱は多くの人の手に渡っていた。

 キムリエン特別国家級遺跡区のラム・ディン・フン副所長は、ホー主席の家族や幼少期に関連する遺物を収集・復元・保存するためには、ホー・チ・ミン主席故郷建設委員会のメンバーやキムリエン遺跡区の歴代の職員の尽力に加え、ホー主席の家を保護する組織のメンバーについて言及しないわけにはいかないと話す。

 「ホー主席の家を保護する組織は、農民や親族、主席の家族と親しかった近所の人たち12人で構成されていました。米国が北部への爆撃作戦を拡大していた数年間、当局とともに関係者がトンネルを掘り、避難させ、主席の父方と母方の故郷にある2軒の家やその他の遺物の安全を守ったんです」とフン氏は語る。

 毎年、キムリエン特別国家級遺跡区には国内外から数百万人の観光客が訪れる。「ホー主席の家族に代わって客を接遇する」という役割を担う遺跡区の職員たちは、ここに保存・展示されている遺物を一般の人々に紹介してきた。彼らにとって、これは特別な仕事に対する責任というだけでなく、民族の偉大な父に対する敬愛の念の表れでもある。

 セン村を訪れたハノイ市在住のレ・バン・グーさん(男性・80歳)は、茅葺き屋根と竹編みの壁の家に展示された簡素な遺物の前で長い間静かに立ち尽くしていた。

 「私の人生における最大の願いはホー主席にお会いすることでしたが、叶いませんでした。だから、キムリエン遺跡区を訪れ、風景や遺物を眺めるたびに、少年時代の主席がここで歩き回り、生活している姿を想像しています。本当に胸が熱くなり、これらの貴重な遺物を見つけ出し、保存してくれた歴代の遺跡区の職員の方々に心から感謝しています」とグーさんは心境を語る。

ホー主席に関する最初の博物館

 1956年から1970年まで、ホー主席の家族の遺物の保存作業は、主にキムリエン村の共産党委員会と住民によって行われた。ホー主席が亡くなった翌年の1970年、党と国は全国で最初のホー・チ・ミン博物館を建設する方針を打ち出した。

 ホー主席の父方と母方の故郷の既存の遺跡を基に、中央政府はゲアン省に対し、ホー主席の生涯、業績、故郷の遺産を保存・活用するために、最初のホー・チ・ミン博物館を設立するよう指示した。

 そして、ホー主席の父方と母方の故郷の遺跡の展示に加え、キムリエン博物館は、故郷や家族、幼少期、ホー主席の故郷に対する思い、そしてホー主席の生涯と業績をテーマに遺物を展示した。

 キムリエン特別国家級遺跡区の解説員チームも誕生したが、専門的な訓練は受けておらず、解説に関する短期指導を受けただけだった。当時、遺跡区は主に、南部の戦闘に向かう途中の軍隊の訪問団や、社会主義諸国からの国際的な訪問団を受け入れていた。

 1983年、ホー主席の生い立ちと業績に関する展示は、当時建設されたばかりだったハノイ市のホー・チ・ミン博物館に移された。キムリエン特別国家級遺跡区はこれ以降、「故郷、家族、幼少期」と、「ホー主席の故郷への思い、故郷のホー主席への思い」という2つの内容を展示してきた。

 キムリエン遺跡区とゲアン省文化当局は、これらの内容に関連する遺物の収集を継続的に行っている。特に、2019年から現在に至るまで、キムリエン特別国家級遺跡区は、ホー主席から故郷ゲアン省に宛てられた162通の手紙や電報、演説のほか、ホー主席が直筆で称賛の注釈を記したゲアン省の善良な人や善行に関する数十件の新聞記事などを収集してきた。

長期保存のための展示品のデジタル化

 フン氏によると、キムリエン遺跡区は、ホー主席に関連する約4000点の資料や遺物を保管している。しかし、遺跡区は猛暑や頻繁な暴風雨など厳しい気象条件の地域に位置しているため、この保管は大きな課題となっている。

 これらが貴重な遺産であることを認識した上で、遺跡区は、長期的な保存と維持を図り、国内外の人々への展示、紹介、宣伝活動をより効果的に行うことを目的に、文化スポーツ観光省傘下の文化遺産局から移管された遺物資料保存のソフトウェアを導入し、古いソフトウェアシステムを置き換えた。これにより、遺物には、サイズや由来などのデータとともに識別コードが割り当てられた。

 デジタル化されたデータにより、観光客はスマートフォンでQRコードを読み取るだけで、多言語による自動音声ガイドの内容とともに、様々な視点から遺物を実見し、観察することができ、個人のニーズに合わせて柔軟に見学ルートを選択することができる。

 さらに、セン村の遺跡群にある展示館と、ホー主席の母親であるロアン氏の墓地の展示スペースには、デジタル技術インフラが導入され、観光客の見学や学習のニーズにより良く対応し、年間の繁忙期における解説員の過負荷問題の解決にも貢献している。

 2026年5月17日、キムリエン特別国家級遺跡区は、観光客向けに仮想現実(VR)技術を導入した。「聖なる瞬間への回帰」をテーマにしたこの最新技術の応用により、観光客は、1945年9月2日にハノイ市のバーディン広場でホー主席が独立宣言を読み上げ、ベトナム民主共和国が誕生した歴史的瞬間を、臨場感あふれる映像で体験することができるようになった。

 キムリエン遺跡区の職員の尽力により、ホー主席の家族が残した貴重な遺物は、後世に向けてそのままの状態で保存されているだけでなく、地理的な境界を越えて、国内外の多くの人々に届けられている。 

[Dan Tri 10:09 19/05/2026, A]
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