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[スポーツ]

Vリーグとタイリーグ、発足から10年余りで明暗くっきり

2013/03/24 06:20 JST更新

(C)  Bongda タイプレミアリーグのサポーター
(C) Bongda タイプレミアリーグのサポーター
 ベトナムプロサッカーリーグ(Vリーグ)が誕生したのが2001年。その翌年に第1期タイプロサッカーリーグが発足した。それから10年余り、両者の明暗は明らかだ。19日付ボンダーが報じた。  かつてのタイリーグはVリーグを手本としていた。当時Vリーグには既にベトナム全国の主要都市にクラブがあり、一方のタイは首都バンコクの周辺にしかクラブを作れないような状況だった。結論から言おう。この第1期タイリーグは失敗に終わる。理由は単純明快。商業的に成り立たなかったからだ。スタジアムに足を運ぶ観客が数百人ではクラブ運営など出来るはずがない。  待ちわびたプロリーグの発足。しかし失意の中、02~03シーズンには多くのタイ代表選手が母国を後にし、ベトナムでのプレーを選択した。  こうした状況下、タイサッカー連盟はArt Kosingkha書記長のイギリス派遣を決定する。結果的にはこれが英断となった。本場プレミアリーグの運営方式を学んだ同氏は帰国後、新リーグの設立に着手。そして2008年、第2期タイプロサッカーリーグが誕生、名称も「タイプレミアリーグ」へと変更した。  更にイギリスから専門家を招き、磐石の態勢を整えた新生タイリーグは、僅か数年で大きな変貌を遂げることになる。タイはこの間に、プロサッカー株式会社を設立。バンコク周辺だけでなく、全国各地にクラブを展開し、サポーター組織の発足と指導者の育成にも注力した。

 プロサッカー株式会社はサッカーに関する各種契約を実行するだけでなく、海外で試合を生中継することで、テレビ放映権料の獲得にも成功し、国内リーグの収益化を強力に後押しした。また、Art Kosingkha書記長は、各クラブのCEOにプレミアリーグのクラブ運営方式を伝授し、サッカーのビジネス化を推し進めた。  2012年時点で、タイプレミアリーグの各クラブの平均利益は年間135万ドル(約1億3000万円)。◇ムアントン・ユナイテッド、◇ブリーラム・ユナイテッド、◇チョンブリーといった強豪クラブでは500万ドル(約4億8000万円)の利益を達成している。2013年もアメリカや日本から多くの企業がスポンサーに名乗りを上げており、見通しは明るいという。  さて、話をVリーグに戻そう。国際サッカー歴史統計連盟(IFFHS)の2012年世界サッカーリーグランキングで、Vリーグは87位となっており、タイ(49位)、マレーシア(74位)に次ぐ、東南アジア3位に就けた。最新のFIFAランキングでは129位で、東南アジアトップの座を守っている。しかし、そんな統計を眺めて溜飲を下げることにあまり意味は感じられない。スタジアムの風景を見れば、ベトナムサッカーの現状は自ずと分かるだろう。  空席の目立つスタジアム、組織化されていないサポーター、テレビ中継は国内のみで、放映権料はスズメの涙。収益化への糸口すら見えてこない。未だにサッカークラブは一部の権力者による気まぐれな戯れに過ぎない。そんな状況で観客にクラブへの愛情を見出せというのも酷な話だ。彼らは口をそろえて語る「Vリーグに観る価値などない」。  批判的なことばかり述べてきたが、明るい材料が無いわけではない。ベトナムプロサッカー株式会社(VPF)は2月、日本人サッカー指導者の田部和良氏をフロントスタッフとして招聘。これに先立ちVリーグは昨年、Jリーグと提携しており、リーグ運営のノウハウ共有や選手移籍などで協力していく方針を明らかにした。タイリーグが僅か数年で躍進を遂げたように、Vリーグも生まれ変わることが出来るのか、ここ数年が正念場となる。 

[ Duy An bongda 10:53 19/3/2013U]
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