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[スポーツ]

第3回「ベトナム日本国際ユースカップU-13」大会1日目&2日目レポート 川崎フロンターレドリームチームが強豪アカデミー相手に奮闘

2020/12/24 12:30 JST更新

(C) ベトナムフットボールダイジェスト
(C) ベトナムフットボールダイジェスト
 2020年のJ1リーグを圧倒的強さで優勝した川崎フロンターレが主体となって開催する「第3回ベトナム日本国際ユースカップU-13」が12月18日から20日まで東南部地方ビンズオン省のビンズオン新都市区で開催された。ビンズオン新都市区は、東急グループ傘下のベカメックス東急が都市開発を手掛けており、年々発展を遂げている。

 川崎フロンターレは、2013年にベトナム1部ベカメックス・ビンズオンFCとトップチーム同士の国際親善試合を行ったのを皮切りに、下部組織や指導者間の交流を毎年行っている。日越外交関係樹立45周年となった2018年には、この活動は2クラブの枠を越えた日越4チームずつが出場する国際大会「ベトナム日本国際ユースカップU-13」に発展した。

 今年はコロナ禍のため、日本からの参加チームがなかったが、ベトナムの7チーム(ベカメックス・ビンズオン、PVF、ビンディンFC、ホーチミン・シティFC、ビンフオックFC、ドンタップFC、ユヴェントス・ベトナム)に加え、川崎フロンターレが在ベトナムのU-13世代を対象に選抜した「川崎フロンターレドリームチーム」を結成し、計8チームで大会を開催することになった。なお、「川崎フロンターレドリームチーム、以下:川崎F」はセレクション合格者と、Vリーグ傘下4クラブに所属する選手を推薦してもらい構成され、川崎フロンターレから派遣されたコーチが監督を務めた。

 18日の開幕式には、渡邊信裕 在ホーチミン市日本国総領事と大会スポンサーである日系企業各社の代表者らも出席。渡邊総領事は開幕式の挨拶で、「ベトナム日本国際ユースカップU-13は、今やビンズオン省における毎年のスポーツイベントとして定着しつつあります。新型コロナウイルスが世界的に広がりを見せている中、今年も途切れることなく大会が開催されることを嬉しく思います」と述べた。

 開幕戦では、川崎Fがベトナムの強豪アカデミー「PVF」と対戦。PVFは元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏(現U-19ベトナム代表監督)がテクニカルダイレクターを務めていることで知られており、これまでにアンダー世代の国内選手権で数々のタイトルに輝いている。劣勢が予想された川崎Fだが、序盤に2点を先行。しかし、徐々に相手の圧力に押されて前半で同点に追いつかれてしまう。それでも後半に踏ん張りを見せて強豪相手の初戦を2-2のドローに持ち込んだ。川崎Fは続くグループリーグ2試合目でビンフオックFCに3-0の快勝を収めて今大会初白星を挙げ、1勝1分の成績で初日を終えた。



 大会初日の夜には、全8チームの所属選手とコーチらが参加する懇親会が開催された。各テーブルでは昨年同様、出場8チームの選手が1人ずつバラバラに座り、普段は異なるチームに所属する選手らが互いに交流を深め合った。年頃の子供らは、最初のうち緊張気味だったが、川崎フロンターレのコーチが司会を務めた手押し相撲大会で場が和んだ後は、活発に言葉を交わしていたようだ。

 2日目の午前中に行われたグループリーグの最終試合は、準決勝進出をかけた大一番となった。勝たなければ、準決勝進出の可能性が絶たれる川崎Fは、新興アカデミーのユヴェントス・ベトナムと激突。試合は序盤から一進一退の攻防が続いたが、後半に先制を許す苦しい展開。その後、攻勢を強めた川崎FがPKで同点に追いつくも、勝ち越し点を奪うには至らず、試合は1-1でホイッスル。健闘を見せた川崎Fは、3試合を終えて1勝2分。この結果、3チームが勝ち点5で並んだが、川崎Fは得失点差でグループ3位となり惜しくも準決勝進出を逃した。

 続いて2日目午後には、大会最終日の順位決定戦のカードを決めるための試合が行われ、B組3位の川崎Fは、A組4位のホーチミンと対戦した。川崎Fは前半なかなかリズムに乗れず苦しんだが、後半に2得点を挙げて快勝。この勝利で川崎Fは5位決定戦に駒を進めることとなった。

 グループリーグの成績は以下の通り。

グループA
1位:ベカメックス・ビンズオン 2勝1分
2位:ビンディンFC 1勝2分
3位:ドンタップFC 1勝1敗1分
4位:ホーチミン・シティ 3敗

グループB
1位PVF 1勝2分
2位:ユヴェントス 1勝2分
3位:川崎F 1勝2分
4位:ビンフオック 3敗

 2日目の夜には、ビンズオン新都市サッカー場に近接する「hikari」前のスペースにて、昨年同様クリスマス&サッカーフェスティバルが開催された。「hikari」は、ベカメックス東急が手掛ける商業施設で、日系、中華系、ベトナム系の飲食店が入居している。今回のフェスティバルには、入居店舗や大会スポンサーを務めた企業各社がブースを出展。特設ステージでは、クイズ大会や地元学生によるダンスパフォーマンス、現地で活動する日系チアスクールによる公演などが行われて会場の雰囲気を盛り上げた。

 また、近くのミニサッカー場では、エースコック協賛による地元児童を対象としたサッカー教室が開催され、川崎フロンターレのコーチが子供たちを直接指導した。コーチはサッカーの楽しさを伝えるため、工夫を凝らした指導を行い、子供らは元気いっぱいに走り回ってボールを追いかけた。スクール終了後、すっかり打ち解けたコーチらは子供たちから記念撮影とサイン攻めにあっていた。川崎フロンターレはこうした地道な活動を通じて、ベトナムでの地域貢献や知名度向上を図っていきたい考えだ。


記事提供:ベトナムフットボールダイジェスト+
 

[2020年12月24日 ベトナムフットボールダイジェスト+]
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